抄訳
【背景】
超音波Bモード法を参照しながら脂肪肝を定量評価できるUltrasound-guided Attenuation Parameter (UGAP)を用いた減衰係数 (AC: attenuation coefficient)測定の経験をし,MRI- proton density fat fraction (PDFF)と比較したので報告する.
【方法】
対象はACが測定され,かつMRIによるPDFFが測定された非B非Cの患者126例である.超音波装置はGE社LOGEQ S8とE9,MRI装置はGE社 Discovery MR750Wをそれぞれ使用した.なおPDFFのカットオフは既報にしたがい,脂肪化grade ≧1,≧2,3をそれぞれ5.2%,11.3%,17.1%とした.
【結果】
(1) PDFFとACの相関係数は0.746 (p<0.001)と強い相関が認められた.(2)PDFFから推定された各脂肪化gradeのROC解析による診断能 (AUROC)は,grade≧1の場合0.922, grade≧2の場合0.874,grade 3の場合0.892で,いずれも比較的高い診断能であった.(3) 脂肪化grade≦1のみの症例ではPDFFとACの相関係数は0.559 (p<0.001)と中等度の相関が認められた.(4) BMI:25 kg/m2以上の症例においてはPDFFとACの相関係数は0.773 (p<0.001)と強い相関が認められ,AUROCは,grade≧1の場合0.884, grade≧2の場合0.863,grade 3の場合0.889であった.
【結論】
UGAPを用いたAC値は脂肪肝に対して高い診断能を有する.