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2023/07/07

ラット間における腹部異所性心移植の手術手技の改良と新規大動脈弁逆流モデルの開発

論文タイトル
Modified Heterotopic Abdominal Heart Transplantation and a Novel Aortic Regurgitation Model in Rats
論文タイトル(訳)
ラット間における腹部異所性心移植の手術手技の改良と新規大動脈弁逆流モデルの開発
DOI
10.3791/64813
ジャーナル名
Journal of Visualized Experiments(JoVE)
巻号
J. Vis. Exp. (196), e64813
著者名(敬称略)
辻 重人 嶋田 正吾 他
所属
東京大学医学部附属病院 心臓外科

抄訳

50年以上前からマウスやラット間における腹部異所性心移植が報告されており、様々な改良がなされてきた。今回我々は、移植手技において心筋保護を強化する改良を行うことで、移植心の機能を維持し、初学者でも高い成功率を達成できる手術手技を確立した。①心臓摘出前にドナーの腹部大動脈を切開・瀉血してドナー心の負荷軽減を図ること、②心筋保護液をドナー心の冠動脈に注入すること、③吻合操作中にドナー心の持続的な局所冷却を行うこと、の3点が手技のポイントである。
加えて、右頚動脈からカテーテルを挿入し、エコーガイド下で大動脈弁を穿刺する従来の大動脈弁逆流モデルとは異なる、腹部異所性心移植を用いた新たな大動脈弁逆流モデルを開発した。ドナー心摘出後に腕頭動脈からガイドワイヤーを挿入し、大動脈弁を穿刺して大動脈弁逆流を作成した上でレシピエントへ移植する方法である。既存のモデルと比較して穿刺手技が容易であり、また大動脈弁逆流を作成したドナー心はレシピエントの循環に直接影響しないため、既存のモデルと比較してより重度な大動脈弁逆流モデルが作成可能と考えている。

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