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2023/07/18

カポジ肉腫関連ヘルペスウイルスORF67.5は、ターミナーゼ複合体構成因子として機能する

論文タイトル
Kaposi’s Sarcoma-Associated Herpesvirus ORF67.5 Functions as a Component of the Terminase Complex
論文タイトル(訳)
カポジ肉腫関連ヘルペスウイルスORF67.5は、ターミナーゼ複合体構成因子として機能する
DOI
10.1128/jvi.00475-23
ジャーナル名
Journal of Virology
巻号
Journal of Virology June 2023  Volume 97  Issue 6  e00475-23
著者名(敬称略)
祝迫 佑紀 藤室 雅弘 他
所属
京都薬科大学 細胞生物学分野

抄訳

カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス(KSHV)は感染者の免疫不全時にカポジ肉腫やB細胞性リンパ腫を引き起こすヒトヘルペスウイルスである。単純ヘルペスウイルスやヒトサイトメガロウイルス等の他のヘルペスウイルスと異なり、KSHVのカプシド形成はほとんど解明されていない。特に、複製後の前駆体ウイルスDNAのプロセッシング(ターミナルリピート部分での切断)に関わると推測されているKSHVのターミナーゼ複合体は不明な点が多い。他のヘルペスウイルスとの相同性から、KSHVターミナーゼ複合体はKSHVがコードするORF7、ORF29、ORF67.5遺伝子産物によって構成されると推測される。我々は以前、ORF7欠損KSHVは、正常なウイルス産生を行うことができず、さらに新規形態の未成熟カプシドを形成することを報告し、これを”Soccer ball-like capsid”と名付けた。本論文では、ORF67.5欠損KSHVもまた、”Soccer ball-like capsid"を形成することを証明した。さらに、ORF67.5はターミナルリピートの切断、感染性ウイルスの産生、およびORF7とORF29の相互作用の増強に必要であった。ORF67.5には、ヒトヘルペスウイルスホモログ間で高度に保存された領域がいくつかある。これら保存領域はウイルス産生に必要であり、ORF67.5とORF7との相互作用にも必要であることを明らかにした。これらの結果はAIにて予測したKSHVターミナーゼ複合体構造モデルによっても支持された。本論文は、ORF67.5がKSHVターミナーゼ複合体の形成と前駆体ウイルスDNAのターミナルリピート部位での切断に必須であることを示す初めての報告である。

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