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2019/02/25

MiR-33a はSPG4関連遺伝性痙性対麻痺の治療標的となる

論文タイトル
MiR-33a is a therapeutic target in SPG4-related hereditary spastic paraplegia human neurons
論文タイトル(訳)
MiR-33a はSPG4関連遺伝性痙性対麻痺の治療標的となる
DOI
10.1042/CS20180980
ジャーナル名
Clinical Science Portland Press
巻号
Vol.133 No.4 (583-595)
著者名(敬称略)
中関 典子, 尾野 亘 他
所属
京都大学大学院医学研究科循環器内科学

抄訳

これまでの研究から、microRNA (miR)-33a/bはコレステロール代謝に重要であることが明らかにされてきた。我々はヒトにおけるmiR-33a/bの新たな標的遺伝子を明らかにする目的で、これらのノックアウトヒトiPS細胞を作成した。遺伝子発現プロファイルと3’UTR解析の結果、SPASTINという微小管切断活性を示す蛋白をコードするSPAST遺伝子が新たな標的と確認された。このSPASTは遺伝性痙性対麻痺(Hereditary Spastic Paraplegia; HSP)の原因遺伝子として知られており(SPG4と分類)、この遺伝子異常でSPASTの発現が減ると疾患が発症する。SPG4疾患患者より得られたiPS細胞において、miR-33aをノックダウンするとSPASTの発現が増え、神経突起の長さが長くなるという表現型の改善が認められた。本研究により、miR-33aがSPG4の治療標的になることが疾患特異的iPS細胞を利用して初めて証明された。

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