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2023/11/09

著明な左室流出路狭窄を伴うたこつぼ心筋症におけるランジオロール経静脈投与がもたらす循環動態への影響

論文タイトル
Haemodynamic effects of acute intravenous landiolol in Takotsubo cardiomyopathy with dynamic left ventricular outflow tract obstruction
論文タイトル(訳)
著明な左室流出路狭窄を伴うたこつぼ心筋症におけるランジオロール経静脈投与がもたらす循環動態への影響
DOI
10.1136/bcr-2023-255987
ジャーナル名
BMJ Case Reports
巻号
BMJ Case Reports Vol.16 Issue 10
著者名(敬称略)
曺 叡智、井上 健司 他
所属
順天堂大学医学部附属順天堂醫院 循環器内科

抄訳

たこつぼ心筋症(TCM)は、6-20%の症例で左室流出路(LVOT)狭窄に伴う心原性ショックをきたす。病態としてはLVOT狭窄が収縮期僧帽弁前方運動による僧帽弁閉鎖不全症を引き起こし、収縮能低下に加えて循環動態の破綻をきたす。本稿では、LVOT狭窄による循環不全に対してランジオロール投与が効果的だった3例のTCM症例を報告する。ランジオロールは短時間作用型β遮断薬のため血圧、心拍数をモニタリングしながら適宜容量を調節できる。その際できるだけ高容量を用いることで左心室-大動脈圧較差の解消を目指す。著明な流出路狭窄は、循環動態破綻の主要な予測指標(Odd ratio 4.6)であるため、血圧低下を伴う症例に対して積極的にランジオロールを用いることが有効な治療戦略と考える。

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