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2023/12/27

ヒト胎盤栄養膜細胞におけるプロゲステロン受容体膜構成因子1(PGRMC1)の発現低下は、分化・融合を促進する

論文タイトル
Downregulation of PGRMC1 accelerates differentiation and fusion of a human trophoblast cell line
論文タイトル(訳)
ヒト胎盤栄養膜細胞におけるプロゲステロン受容体膜構成因子1(PGRMC1)の発現低下は、分化・融合を促進する
DOI
10.1530/JOE-23-0163
ジャーナル名
Journal of Endocrinology
巻号
Journal of Endocrinology JOE-23-0163 01 Nov 2023
著者名(敬称略)
津留 涼也 吉江幹浩 他
所属
東京薬科大学 薬学部 内分泌薬理学教室

抄訳

胎盤絨毛に存在する細胞性栄養膜細胞は、絨毛性ゴナドトロピン(hCG)やプロゲステロンを産生する多核の合胞体栄養膜細胞へと分化・融合する。この分化・融合の障害は、妊娠高血圧症候群や胎児発育不全などの原因となる。本研究では、ヘム結合性膜貫通タンパク質PGRMC1が、妊娠初期胎盤の栄養膜細胞において分化・融合と共に発現が減少することを発端とし、ヒト栄養膜様細胞株におけるPGRMC1阻害薬及び発現抑制がhCG産生を指標とする分化を促進すること、さらにスプリットルシフェラーゼを利用した定量的な細胞融合評価系を確立し、PGRMC1阻害及び発現抑制が細胞融合を促進することを明らかにした。また、妊娠高血圧症候群と胎児発育不全を併発した胎盤ではPGRMC1の高発現を確認した。これらの知見から、胎盤栄養膜細胞におけるPGRMC1発現の減少は、分化・融合を促進し、胎盤形成や妊娠維持に寄与することが推察された。

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