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2024/02/19

東南極ドロンニングモードランドのインホブデから発見された、異常な爪を持ち有性生殖するオニクマムシ類の新種

論文タイトル
A New Species of Bisexual Milnesium (Eutardigrada: Apochela) Having Aberrant Claws from Innhovde, Dronning Maud Land, East Antarctica
論文タイトル(訳)
東南極ドロンニングモードランドのインホブデから発見された、異常な爪を持ち有性生殖するオニクマムシ類の新種
DOI
https://doi.org/10.2108/zs220085
ジャーナル名
Zoological Science
巻号
Zoological Science, 40(3):246-261 (2023)
著者名(敬称略)
鈴木 忠 他
所属
慶應義塾大学医学部・生物学教室
著者からのひと言
こんなに枝分かれした爪を持つオニクマムシは東南極からしか見つかっておらず非常に珍しいのです。じつは第5次南極地域観測隊(1960–62)による生物調査の頃から、その存在は知られていたのですが、60年以上経過して、やっと新種として発表できました。本種を含む南極産オニクマムシのいくつかは、系統樹の中程に現れます。その祖先種はジュラ紀にゴンドワナ大陸の真ん中で生まれたようです。ゴンドワナの分裂と大陸移動に伴って、オニクマムシ類が多種に分かれ、全世界に拡散していったという歴史が見えてきました。

抄訳

南極昭和基地の南西約120 kmに位置するインホブデ露岩域の生物調査(2015)において発見されたオニクマムシの1新種をMilnesium rastrumとして記載した。オニクマムシ類は4対の各肢先に2本の細長い爪(第1爪)と2本の短い爪(第2爪)を持つ。これまで世界中から記載された40種以上の第2爪は通常2〜3本に分枝した鉤爪となり、2種のみが4分枝を持つが、今回記載された種では4〜7本に分枝する。また、オスの1標本が得られたことと、1頭のメスの100日以上にわたる飼育中に産卵を伴わない2度の脱皮が観察されたことから、本種の繁殖はオスを必要とする有性生殖であることが示唆された。本種から得られた遺伝子配列(18S rRNA, 28S rRNA, ITS-2, COI)とデータベースから得られるMilnesium類の遺伝子配列を用いて生物系統地理的な解析を行なった。

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