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2024/04/15

レジオネラ肺炎において喀痰培養のレジオネラ属菌検出率は非膿性痰と膿性痰で同等である

論文タイトル
Identification rate of Legionella species in non-purulent sputum culture is comparable to that in purulent sputum culture in Legionella pneumonia
論文タイトル(訳)
レジオネラ肺炎において喀痰培養のレジオネラ属菌検出率は非膿性痰と膿性痰で同等である
DOI
10.1128/jcm.01665-23
ジャーナル名
Journal of Clinical Microbiology
巻号
Journal of Clinical Microbiology Vol. 62, No. 4
著者名(敬称略)
伊藤 明広 他
所属
大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院 呼吸器内科
著者からのひと言
レジオネラ肺炎患者は喀痰を症状として訴えることが少なく、これまで喀痰の質による培養検査の有用性は検討されてきませんでした。本検討結果より、非膿性痰であっても抗レジオネラ活性の抗菌薬投与前あるいは投与24時間以内であれば50%以上でレジオネラ属菌を検出可能であったことが判明し、臨床的に非常に重要な結果であると思います。そのため、レジオネラ肺炎を疑う際には抗レジオネラ活性抗菌薬投与とともに喀痰の質にはこだわらず可能な限り喀痰採取の上レジオネラの培養を提出していただきたいと思います。

抄訳

レジオネラ属菌は、重症肺炎の主要な起炎菌のひとつであり、早期診断による適切な治療が予後改善のために重要である。レジオネラ肺炎の早期診断において、尿中抗原検査キットが頻用されているが、レジオネラ肺炎診断のゴールドスタンダードは喀痰培養からのレジオネラ属菌の検出である。これまでレジオネラ肺炎における喀痰の質と喀痰の質別でのレジオネラ検出率に関する報告はなかった。本検討では、喀痰検査を提出したレジオネラ肺炎患者104名において、膿性痰であるGeckler 4/5の患者は8名と少なく、喀痰の質別のレジオネラ検出率はGeckler 1/2で57.1%、Geckler 3/6で50.0%、Geckler 4/5で50.0%と有意差を認めず同等の検出率であった(P=0.86)。レジオネラ属菌の検出率に影響する因子を多変量解析で検討したところ、喀痰培養前の抗レジオネラ活性を有する抗菌薬の投与(OR 0.26, 95%CI 0.06-0.91)、肺炎重症度分類のPSI class IV以上(OR 2.57, 95%CI 1.02-6.71)、ICU入室(OR 3.08, 95%CI 1.06-10.09)が有意に影響していた。また、抗レジオネラ活性を有する抗菌薬投与から喀痰検査提出までの時間とレジオネラ属菌検出率を検討したところ、抗菌薬投与なしあるいは抗菌薬投与24時間以内では24時間以降と比較し有意に検出率が高かった(55.8% vs 11.1%, P=0.04)。レジオネラ肺炎を疑う場合、可能な限り喀痰を採取し検体の質によらず培養を行うべきである。

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