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2024/10/11

高病原性肺炎桿菌を検出するためのストリングテストに最適な寒天培地の評価

論文タイトル
Evaluation of an optimal agar medium for detecting hypervirulent Klebsiella pneumoniae using string test
論文タイトル(訳)
高病原性肺炎桿菌を検出するためのストリングテストに最適な寒天培地の評価
DOI
10.1099/acmi.0.000834.v3
ジャーナル名
Access Microbiology
巻号
Volume 6, Issue 9 (2024)
著者名(敬称略)
渡辺 直樹
所属
亀田総合病院 臨床検査部
著者からのひと言
肺炎桿菌が寒天培地の種類によって異なる性状を示す場合があることに気づいたことが、本研究につながりました。高い病原性を有する肺炎桿菌は世界的に注目されており、迅速で正確なスクリーニング方法が必要とされています。ストリングテストは、簡便かつ低コストで実施できるため、臨床現場での応用が期待される方法です。今回の研究結果が、ストリングテストの診断精度を向上させる一助となれば幸いです。

抄訳

ストリングテストは、高い病原性を有する肺炎桿菌を検出するためのスクリーニング方法です。本研究では、寒天培地の種類がストリングテストの結果に与える影響を評価し、テストに最適な寒天培地とカットオフ値を決定しました。99株の肺炎桿菌を用い、4種類の寒天培地(ヒツジ血液、チョコレート、ドリガルスキー、マッコンキー寒天培地)でストリングテストを実施しました。各培地におけるテスト結果と、肺炎桿菌の病原性に関連する遺伝子(rmpA、rmpA2、iucA)の保有との一致率を計算し、診断精度を評価しました。その結果、最も高い診断精度を示した培地はヒツジ血液寒天培地で、5 mmのカットオフ値が最適であることが分かりました。これらの結果により、高い病原性を有する肺炎桿菌を効果的にスクリーニングするためには、寒天培地の選択と適切なカットオフ値の設定が重要であることが明らかとなりました。

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