抄訳
沖縄県のベンガルヤハズカズラ(Thunbergia grandiflora)および土壌からそれぞれ単離された酵母2株、JCM 36746TおよびJCM 36749が新たに発見された。rRNA遺伝子のITS領域およびD1/D2ドメインの配列解析により、両株は同一の配列を持ち、同種に属することが確認された。配列解析および生理学的特徴から、これらの株はYamadazyma属の新種であると判明した。ITSおよびD1/D2の配列類似性から、JCM 36746TおよびJCM 36749は、Candida dendronema、C. diddensiae、C. germanica、C. kanchanaburiensis、C. naeodendra、C. vaughaniae、Y. akitaensis、Y. koratensis、Y. nakazawae、Y. philogaea、Y. phyllophila、Y. siamensis、Y. ubonensis、未記載の3種(Candida aff. naeodendra/diddensiae Y151、Candida sp. GE19S08、Yamadazyma sp.株 NYNU 22830)を含むYamadazymaクレードに属することが示唆された。新種のD1/D2ドメインおよびITS領域の配列は、これらの関連種と比較して、それぞれ1.51%および2.57%以上のヌクレオチド置換の違いが見られた。また、生理学的特徴もこれら近縁種とは異なっていた。これらの結果に基づき、この種をYamadazyma属に分類し、Yamadazyma thunbergiae sp. nov.という名称を提案した。