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2018/03/30:第292号 電子リソースの所蔵情報をめぐる動き
 

電子リソースの所蔵情報をめぐる動き

 学術図書館の多くで利用されているリンクリゾルバーは,電子ジャーナルを始めとする電子リソースの提供年限,ISSN,URLなどのメタデータを収めたナレッジベース(Knowledge Base)と呼ばれるデータベースを搭載し,その情報を根拠にリンクナビゲーションやA-Zリストを実現している。ナレッジベースは主にリンクリゾルバーを提供するベンダーが,出版社などのコンテンツ提供者からデータを収集し適宜更新している。このナレッジベース情報の流通経路におけるデータ交換形式の標準化は英国逐次刊行物グループ(UKSG)と米国情報標準化機構(NISO)が共同で行い,KBART(ケイバート)と呼ばれる推奨指針としてまとめられ業界では準拠が進んでいる。

 リンクリゾルバーは主に2種類のナレッジベースを持っている。一つが世界中の電子出版物の情報を広く収集するグローバルなデータでシステム提供者側が作成・保守を行っている。もう一つが自機関でアクセス可能な電子リソースの情報を記述したローカル・ナレッジベースで,機関の管理者が登録している。この情報はいわば電子版の所蔵データと言え,今まで交わしたライセンス契約により機関がアクセス権を保有するリソースの,タイトルや利用可能年限などが管理されている。これにより,リンクリゾルバーは各機関の電子所蔵の有無を加味した最適なリンク先へのナビゲーションを行うことができる。

 当初,KBARTはグローバルなナレッジベースの作成・保守を主たる用途としていたが,近年,機関固有の電子の所蔵データを交換する基盤としても活用されるようになってきた。Ex Libris社は,リンクリゾルバーSFXにおけるローカル・ナレッジベースをKBARTフォーマットでエクスポート・インポートする機能を追加し,他のシステムと交換できるようにした。2015年にはElsevierと共同で,KBARTに準拠した機関ごとのElsevier電子所蔵データを定期的に自動取込みする「AutoUpdate」を,SFXと図書館サービスプラットフォームAlma向けにリリースした。2016年にはOvidがこのサービスの対応ベンダーに加わった。Ex Libris社は,AutoUpdateへの参加を促すためにコンテンツ提供者向けのガイド文書を公開している。 

 学術図書館では,自機関の電子所蔵を管理することがリンクリゾルバー運用の有無にかかわらず重要な業務になってきている。コンテンツ提供者やシステム提供者と図書館がKBARTフォーマットでデータ交換ができる環境が整えばその効率化が図れる。また,大学図書館コミュニティーでの共同目録の作成におけるワークフローへの応用も期待できる。 

 Ex Libris社の2月2日付ブログによると,このような活用方法を勧告に盛り込むためにNISOがワーキンググループを設置するとのことだ。これが今後の業界の認知を高め,普及を後押しすることを期待したい。


<参考>

・Knowledge Base And Related Tools (KBART)
https://www.niso.org/standards-committees/kbart 

・KBART Automation Working Group
https://www.niso.org/standards-committees/kbart/kbart-automation 

・Ex Libris社ブログ:NISO KBART – Standardizing Holding Transfers between KB and Content Providers
http://www.exlibrisgroup.com/niso-kbart-standardizing-holding-transfers-kb-content-providers/ 

・渡邉英理子, 香川朋子. 図書館におけるナレッジベース活用の拡がりとKBARTの役割. カレントアウェアネス. 2012, (314), CA1784, p. 14-17.
http://current.ndl.go.jp/ca1784 

・小誌第243号 KBARTの改訂(2013年9月)
https://www.usaco.co.jp/u_news/detail.html?itemid=131&dispmid=605 

・小誌第233号KBART Knowledge Base実務ガイドラインフェーズIと最近の動向(2012年10月)
https://www.usaco.co.jp/u_news/detail.html?itemid=120&dispmid=605 

・小誌第181号knowledge baseをめぐる動向(2008年2月)
https://www.usaco.co.jp/u_news/detail.html?itemid=64&dispmid=605 

「PNAS Highlights March 2018」リリースのお知らせ

 Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America(PNAS)から,「PNAS Highlights March 2018」がリリースされました。

 今年2018年1月25日にリニューアルされたウェブサイトや,Most-Read Articlesの紹介,その他おすすめのScience Sessions Podcast,最新デジタルエディションなどが記載されています。 

<参考>
・PNAS Highlights March 2018
http://www.usaco.co.jp/lancelot/common_files/images/public/March_2018_Highlights_Newsletter_Mar22.pdf 

・PNASホームページ
http://www.pnas.org/ 

・弊社PNASホームページ
http://www.usaco.co.jp/itemview/template44_1_240.html

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