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2005/08/31:第155号Google Print:出版社によるタイトルごとの提供拒否が可能に
 

Google Print:出版社によるタイトルごとの提供拒否が可能に
Web検索エンジン大手Googleは,昨年10月に開始した書籍の
フルテキスト検索を可能にするサービス「Google Print」(本誌149号
【トピックス】参照)の一環として,大学図書館所蔵の著作権付きの
書籍も電子化(スキャン)するとういう構想を打ち出していたが,
出版社や著者等の著作権保有者がGoogleに対し電子化を望まない書籍の
リストを提出することにより,書籍ごとにスキャン対象から除外するか
否かの選択を可能にすると発表した。

Google Printには,出版社向けのPublisher Programと図書館向けの
Library Projectがあるが,Library Projectにおいて,スキャンされた
図書館の書籍が,著作権の有無に関わらずGoogle Printにより検索・
提供されることについて,当初から出版業界において反発が強かった。

これに対し,Google Printのプロダクト・マネージャーである
Adam Smith氏は,同社のブログにおいて次のようにコメントしている。
「Google Printについて,出版社,出版業界団体および著者と長期間に
わたり討議した。Publisher Programへの参加機関であれば,収録を
望む書籍のリストを提供することができ,Googleは提供されたリストに
基づきスキャンを行う。しかし,電子化を望まない書籍がある場合,
出版社がそのリストを提出すれば,スキャンを拒否することが出来る
ようにする予定だ。この新たな仕組みを検討するために,著作権で
保護された書籍については11月までスキャンを行わない」

この発表に対して,米国出版社協会(Association of American
Publishers: AAP)のCEOであるPatricia Schroeder女史は,
「Googleの手法では,著作権侵害を防止する責任がユーザーから著作権
保有者に移ることになる」とし,「Google Printは依然として重大な懸念
である」と述べている。

出版者側に一定の譲歩を示したGoogleだが,依然として出版社側の
警戒感は強く,今後Googleがいかにして同社の掲げる理想と現実の間で
舵取りをしていくかが注目される。

<参考資料>
・Googleブログ:
http://googleblog.blogspot.com/2005/08/making-books-easier-to-find.html

・CNET News.com記事:
http://news.com.com/2100-1025_3-5830035.html

・BBC NEWS:
http://news.bbc.co.uk/1/hi/technology/4146488.stm

・本誌第149号【トピックス】
 「Google:グローバル・バーチャル・ライブラリーの構築を開始」:
https://www.usaco.co.jp/u_news/detail.html?itemid=29&dispmid=605

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