本文へスキップします。

H1

ユサコニュース詳細

USACO News:詳細

2005/10/31:第157号新コンソーシアムOCA が書籍のデジタル化プロジェクトを開始
 

新コンソーシアムOCA が書籍のデジタル化プロジェクトを開始
本年10月3日,デジタル化された多言語テキストとマルチメディアの恒久的
アーカイブの構築および利用促進を目標とするコンソーシアムOpen Content
Alliance(OCA)が設立された。Yahoo!,Adobe,HP Labs,カリフォルニア
大学,トロント大学,Internet Archive,O'Reilly Mediaなどのメンバーで構成
され,著作権保持者の権利を守りながら,参加団体から提供されたデジタル
コンテンツを元にOCAアーカイブを構築し,自由な検索とアクセスを提供する。
10月25日にはMicrosoft もOCA への参加を表明している。

書籍のデジタル化プロジェクトについては,すでにGoogleが「Google Print
Library Project」を開始している。
OCAのプロジェクトがGoogleのそれと異なる点としては,OCAに登録された
コンテンツはYahoo!のほか,他の検索エンジンにも提供が認められていること,
OCAは当初はPDF 形式のみでの提供であること,一企業ではなく団体として
運営がなされることなどが挙げられる。

Google Print Library Projectでは,著作権のある書籍も内容の一部を検索対象に
しており,提供を拒否するためには出版社の方からGoogleに連絡する必要が
ある。このオプトアウトの方針に対しては米作家協会(Authors Guild)や米国
出版社協会(AAP)が著作権侵害訴訟を起こすなど,出版業界からは根強い
反対を受けている。
その点,OCAでは著作権保持者の明確な許可を得てからスキャン対象とする
オプトインを採用しているため,著作権保持者とのトラブルは避けられる。
しかし,オープンアクセス推進者からは逆に,Google Printと比べて検索対象
となるコンテンツの規模の増加が見込めないとの懸念の声も上がっている。

<参考資料>
・Open Content Alliance
http://www.opencontentalliance.org/
・本誌第149号【トピックス】
 「Google:グローバル・バーチャル・ライブラリーの構築を開始」
https://www.usaco.co.jp/u_news/detail.html?itemid=29&dispmid=605
・本誌第155号【トピックス】
 「Google Print:出版社によるタイトルごとの提供拒否が可能に」
https://www.usaco.co.jp/u_news/detail.html?itemid=35&dispmid=605
・@IT情報マネジメント用語辞典「オプトアウト」
http://www.atmarkit.co.jp/aig/04biz/optout.html

ユサコニュース一覧に戻る