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2006/05/31:第163号無料学術文献検索サービス提供の動向
 

無料学術文献検索サービス提供の動向
2004年11月にGoogleが無料の学術文献検索サービスGoogle Scholarベータ版を発表して以来,
その利点および欠点やWeb of Science との比較など,多くの議論が行われてきたが,Microsoft社は
本年4月,学術文献検索サービス「Windows Live Academic Search」ベータ版の提供を開始した。
現時点では,日本を含む7カ国での利用が可能となっている。 現時点の対象分野はコンピュータ
サイエンス,電気工学,物理学のみであるが,今後は分野を拡充し,正式版のリリースを目指す。

 Windows Live Academic Searchではユーザーインターフェイスに工夫がみられ,クリックせずとも
ポインタを上に乗せるだけで情報を表示したり,表示する情報の詳細度を3段階で調節することが
可能。また,主著者,雑誌名,日付などでソートが可能なほか,Microsoft が構築中の次世代Web
プラットフォームであるWindows Liveと統合することができ,RSSフィードの利用も可能となっている。

 一方,Microsoftのこの動きを受けてか,Google Scholarベータ版でも,最近の論文を検索結果の
上位に表示する「Recent articles」機能が追加された。従来,Google Scholarは引用数の多い順に
検索結果を表示していたため,古い論文が検索結果の上位に登場することが多かったが,これにより
最近の論文を優先的に表示させることが可能となった。また,「Scholar Preferences」に
「BibliographyManager」項目が追加され,BibTex形式での表示やEndNoteなどの文献管理
ソフトウェアへのダイレクトエクスポートも可能となった。

 GoogleとMicrosoftというWeb検索界の巨人が,共に学術論文に対する検索機能を無料で
提供し始めたことで,両社のみならず,既存の学術出版社が提供する機能との間にも競争が生まれ,
利用者にとってより使いやすい研究環境が提供されていくことが期待される。

<参考資料>
・Microsoft Live Academic Search
http://academic.live.com/
・Microsoft Live Academic Searchプレスリリース
http://www.microsoft.com/presspass/press/2006/apr06/04-11WLAcademicSearchPR.mspx
・Google Scholar
http://scholar.google.com/
・本誌第148号【トピックス(1)】
 「Google:学術論文検索エンジン,Google Scholarベータ版を公開」
https://www.usaco.co.jp/u_news/detail.html?itemid=27&dispmid=605

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