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ユサコニュース詳細

USACO News:詳細

2008/03/31:第182号ライセンス情報標準化への試み-LEWGの近況-
 

ライセンス情報標準化への試み- LEWGの近況-

LEWG(License Expression Working Group)は,出版機関と図書館の間で取り交わされる電子出版物のライセンス情報の標準化を目的に,米国情報標準化機構(NISO),EDItEUR, 電子図書館連合(DLF),Publishers LicensingSociety(PLS)が共同で取り組むワーキンググループである。

 メンバーは,出版機関,図書館,コンソーシアム,システムベンダー,業界団体などから60名ほど選出されているが,NISOが別途取り組んでいる関連性の高いプロジェクトであるSERU(Shared E-Resource Understanding)のメンバーとも一部重複している。

 学術情報の流通が紙から電子に移行する中,その利用の手続きは購読申込みからライセンス契約に移行し,LEWGを取り巻く動向の重要性が増している。

 EDItEURは書籍や雑誌業界の電子商取引や標準化を進めている国際的な団体であり,出版物の流通における製品情報データの交換のためのONIX(ONline Information eXchange)の管理団体として知られている。EDItEURではライセンス契約が必要な出版物用のONIXの開発が行われているが,これを共同で
評価し,実用化に向けての準備することが最近のLEWGの活動の柱になっている。 現在,2007年3月に公開されたONIX for Publications Licenses(ONIX-PL)のドラフト版のテストが行われている。

 電子情報資源管理システム(ERMS)は,電子出版物のライセンス情報を管理することを主眼に おいたシステムであり、電子サービスを多く取り扱う学術図書館を中心に導入が始まりつつある。 現状ではERMSへのライセンス情報の登録は手入力されているが,この作業は図書館スタッフの重荷になっている。将来的には,ONIX-PLによる契約条項が出版機関から機械可読型のXMLファイルとして配信されERMSに直接取り込まれることが望まれている。そのためには,ONIX-PLの記述がERMSの該当フィールドに適切に取り込まれることが必要である。

 2007年11月,「Mapping ONIX-PL to ERMI」と呼ばれるレポートがEDItEURから発表された。ERMSで使われているERMI data elementsとONIX-PLでのライセンス表現が対比されているが,ERMIで定義されている項目が少ないためONIX-PLの情報をカバーしきれないことが指摘されている。その他の課題として,許可・禁止事項の記述に関して利用者からの踏み込んだ質問にも答えられるように項目を拡充することが必要だとコメントされている。

 2008年1月に開催された米国図書館協会(ALA)の冬季大会では,License Expression Working
Group: Update and Open Discussionが開催された。EDItEURの他に,カリフォルニア州電子図書館コンソーシアム(SCELC),Springer社からも発表があり,スライドが公開されている。その記載から,各機関から現状認識,取り組みの内容,ONIX-PLの効果や意義,可能性,今後の課題などが説明されたことがうかがい知れる。SCELCからは,ライセンス条項をONIX-PLにコード化することで,契約内容のポイントがつかみ やすくなることや,出版機関との交渉プロセスの効率化に対する期待が示された。また,Springerから はONIX-PLが実用化されても,紙媒体の契約書の締結が必要であろうとの見解も示されている。

 今後は,現在ドラフト段階のONIX-PLが今までの試行の成果を反映したversion 1.0としてリリースされ, 出版機関,システムベンダー,図書館などサプライチェーンの各立場での実証実験へと進む予定だ。
これと連動し,ERMI termの見直しや,ライセンス情報をONIX-PLに編集するための
「ONIX-PL Editing tool」の更新も必要になると予想されている。また,SUSHIのようなハーベストの
ためのプロトコルの開発も望まれる。

 ERMSは主に、図書館スタッフのための管理ツールではあるが,リンクリゾルバーと連携することで
ライセンスに関する情報を利用者に分かりやすく伝える手段として活用することができる。
概して表現が分かりづらいライセンス契約の内容を分析し,ONIX-PLによる標準化,簡略化した形式に
変換し,図書館のシステムを経由して利用者に伝達することで,効果的に契約内容を周知徹底する
ことできる。実現すればサプライチェーン全体に有益でありLEWGの活動による成果が待たれる。


<参考URL>
・NISO LEWGサイト
http://www.niso.org/apps/group_public/workgroup.phpwg_abbrev=lewg
・EDItEURサイト
http://www.editeur.org/
・Mapping ONIX-PL to ERMIレポート(PDF)
http://www.niso.org/apps/group_public/download.php/54/071119ONIX_ERMImapping.pdf

・NISO@ALA Midwinter 2008 and Related Standards programs※
http://www.niso.org/news/events_workshops/alamid08/
※記事作成(2008年3月27日)時点では上記URLにてプログラム内容を確認できた
が,2008年3月末にNISOサイトが大幅にリニューアルされたため,3月31日現在,
同内容を確認できず。

・本誌第177号【トピックス】
「SERU:電子情報資源ライセンスの新動向」
https://www.usaco.co.jp/u_news/detail.html?itemid=59&dispmid=605


JSTOR:新プラットフォームリリースのご案内

コアな学術ジャーナルのバックナンバーを電子的に提供するプロジェクトJSTORのプラットフォームが新しくなります。

 新プラットフォームは,ナビゲーション機能の強化と利便性の向上をコンセプトに,また,将来予定されるアップデートにも柔軟に対応することができるように開発されています。正式リリースの後,現行プラットフォームとの自動切り替えが行われる予定です。

新プラットフォームの主な概要は以下の通りです。
・新しいインターフェイス
・ユーザー情報・書誌を保存するパーソナルアカウント「MyJSTOR」を搭載
・検索結果に新たな検索条件を追加する機能
・ページのサムネイル表示により,検索結果のコンテンツを一目で確認
・ベーシックサーチ画面で分野別の検索範囲を指定
・検索履歴の表示と再利用
・イメージ検索機能の向上
・PDFファイルの印刷と,PDFファイルへのアクセスを改善
・ブラウジングの強化(例.出版社別の閲覧など)
・CrossRef経由による,引用文献リンクの拡大
・サイト内の効果的なナビゲーション

 新プラットフォームのコンセプトやその他のJSTORの新しい試みなどに関しては,JSTORサイトより
JSTOR SANDBOXをご参照下さい。

 正式リリースに関する追加情報を入手次第,改めて本ニュースにてご案内します。
ご不明点やご質問,および詳細については,弊社までお問合せください。


・弊社JSTORサイト
http://www.usaco.co.jp/products/jstor/index.html
・JSTORホームページ
http://www.jstor.org/
・JSTOR新プラットフォーム新機能について
http://sandbox.jstor.org/New_JSTOR_Platform_2008.pdf
・JSTOR SANDBOX
http://sandbox.jstor.org/

トムソンサイエンティフィック:新システムResearcherID.comを開設

トムソンサイエンティフィックが,研究者の研究成果と属性を管理する新たなウェブシステム「ResearcherID.com」のリリースを 発表しています。

 研究者は,このResearcherID.comを利用して個人識別情報を登録し,各自のワークスペース上で
論文を公表したり,個人の研究成果を公開管理したりすることができます。登録は各研究者
1回のみに限定されており,それぞれに割り当てられた個人識別(ID)番号によって,名前を他の
研究員と間違えられることなく,所属先の変更などにも対応することが可能です。

 個人識別(ID)番号は,登録者が個人のホームページ,履歴書,所属機関ウェブページ上に,
自由に記載することができます。そしてResearcherID.comは,個人識別(ID)番号に対応する登録者の
ワークスペースを,登録者の設定に従い公開します。これにより,自動的に更新される引用データ,
ユーザー作成タグやキーワード,また,各自の専門情報を,他の研究者と広く共有することができます。

 個人識別情報の登録は,ResearcherID.comから招待された研究者のみに許可されています。
登録招待メールの申し込み方法や詳細については以下のResearcherID.comウェブサイトを
ご参照下さい。

 ・トムソンサイエンティフィック プレス・リリース(英語)
 http://scientific.thomson.com/press/2008/8429910/
 ・トムソンサイエンティフィック プレス・リリース(日本語)
 http://www.thomsonscientific.jp/news/press/nytu096/
 ・ResearcherID.comウェブサイト
 http://www.researcherid.com

Ex Libris:Google ブック検索機能の組み込みを発表

 Ex Libris社は,2008年3月にGoogleが公開したGoogle ブック検索の“viewability”APIを活用することで,同社のWeb2.0対応の利用者インターフェイスPrimo,リンクリ ゾルバーSFX,統合図書館システムAlephやVoyagerに,Google ブック検索が提供する

 書籍のフルテキスト(公開されている場合のみ),プレビュー,書籍情報,表紙のサムネイル,
Google マップ(書籍の中に登場する地名をGoogle マップ上に表示)などの機能を組み込むことに
成功したと発表しています。

 Primo導入機関では,検索コンテンツの詳細画面にGoogl ブック検索の「この書籍について」へのリンクアイコンがすでに表示されています。SFXは2008年4月度のSFX KnowledgeBaseアップデート時に,リンクターゲットにGoogle ブック検索を新しく追加し,検索結からGoogle ブック検索結果へのリンクを実現する予定です。Alephではコンテンツの全画面表示に,Voyagerでは概要画面または詳細表示画面表示に,Google ブック検索の「この書籍について」へのリンクアイコンがそれぞれ表示される予定です。なお,これらの情報は,検索コンテンツがGoogle ブック検索に収録されている場合にのみ表示され,ない場合にリンクアイコンは表示されません。

・Ex Libris社プレス・リリース
http://www.exlibrisgroup.com/catid=%7B916AFF5B-CA4A-48FD-AD54-9AD
2ADADEB88%7D&itemid=%7B353D13D7-1CB5-4D7A-BEED-0501FF92763C%7D
・Google Book Searchブログ“Inside Google Book Search”
http://googleblog.blogspot.com/2008/03/book-info-where-you-need-it-when-you.html
・Google Book Search Book Viewability API
http://code.google.com/apis/books/


ebrary: Countdown Campaign for Spring 2008(最大20%オフ)のご案内

書籍のオンライン利用をより簡単に,かつ効率的に行うためのコンテンツとテクノロジー を提供するebraryが,2008年3月〜6月にかけて,“Countdown Campaignfor Spring 2008”と銘うったキャンペーンを実施します。

 内容は,新規顧客を対象にebrary年間購読型コレクションの購読料金を最大20%割引するものです。割引率は以下の通りです。

 2008年4月末までにご契約・・・20%引
 2008年5月末までにご契約・・・15%引
 2008年6月末までにご契約・・・10%引

 年間購読型コレクションは,「Academic Complete」(学術分野を幅広く網羅する37,000タイトル以上を収録)をはじめ,「Business & Economics」,「Nursing & Allied Health」,「Computer & IT」など全16分野に渡ります。購読はサイトライセンスによる年間契約で,契約期間中にコレクションに収録された新タイトルに関しても,追加料金の発生はなく,無制限同時アクセスで提供されます。

 ebraryでは,InfoToolsという独自の閲覧ツールにより,他のデータベースへの検索やコンテンツの
翻訳などを実現しており,パーソナライズ機能によるコンテンツへのハイライトや注釈の書き込みも
可能です。

詳細については,弊社までお問合せください。

・弊社ebraryサイト
http://www.usaco.co.jp/products/ebrary/
・ebraryオンライン・トレーニングプログラム(機能紹介ビデオ)
 http://www.ebrary.com/corp/collateral/flash/QuickStart_ja/


ebrary:新たなebrary Readerの紹介

260の主要出版社から120,000以上の電子コンテンツを提供するebraryが,ebrary Readerの機能改善と新機能を発表しています。

 Javaソフトウェアをベースにした,この新たなebrary Readerは,世界各国の図書館員で構成された
選定グループによる集中的な動作確認を受けており,2008年第一四半期中には全ての顧客への
切り替えを終了する予定です。

主な機能改善,新機能は以下の通りです。

・本文テキストへのハイライトと共に注釈を記載するウィンドウを表示
(ウィンドウは大きさや位置を自由に調整でき,ハイライトと共に色指定も可能)
・本文テキストにユーザー自身が指定したURLを埋め込み,ハイパーリンクの設定が可能
・マルチバイト言語への対応(テキスト表示,印刷,コピー,貼り付け)
・利用者に見えないアップデート など

詳細については,弊社までお問合せください。

・弊社ebraryサイト
http://www.usaco.co.jp/products/ebrary/

ebrary:Informa Healthcareとの提携を発表

ebraryは,Informa Healthcareが同社のe-bookコンテンツの提供のため,ebraryの プラットフォームをライセンスしたことを発表しました。

 Informa HealthcareのSarah Walkley氏は,「ebraryのプラットフォームは業界標準のPDFで
電子ブックを収載するのに容易であり,コンテンツの提供手段として様々な選択肢(年間購読型/買取型,シングルユーザー/マルチユーザーなど)を利用できる。 同時に利用者にとっては洗練されたebrary Readerや InfoToolsを利用することで,研究プロセスをより容易で生産的なものにでき,今後の利用率と顧客満足度の向上に大きな期待をしている」と述べています。

 Informa Healthcareは,薬学・医学分野における研究開発(R&D)情報を包括する3,000以上の
電子ブックを提供しており,約250冊の新刊を毎年発行しています。

詳細については,弊社までお問合せください。

・ebraryプレス・リリース
http://www.ebrary.com/corp/newspdf/ebrary_Informa.pdf
・弊社ebraryサイト
http://www.usaco.co.jp/products/ebrary/

EndNote:利用者向け日本語マニュアル追加のご案内

弊社取扱製品である論文作成支援ソフト「EndNote」の,利用者向け日本語マニュアルが新たに追加されました。

・中上級編 操作ガイド
各種データベースからの取り込み,投稿スタイル(Output Style)の編集,便利な機能集など,合計98ページに及ぶ内容です。登録ユーザー専用ページのマニュアルページからダウンロードすることができます。

・オンラインチュートリアル(ビデオによる操作説明)
開発元のThomson Scientificが作成したオンラインチュートリアルに,日本語訳をつけました。EndNoteへのデータ入力,Word上での使用方法などの基本的な手順を,実際にビデオを見ながら確認することができます。


詳細については,弊社までお問合せ下さい。


・弊社EndNoteページ
http://www.usaco.co.jp/products/isi_rs/endnote.html
・オンラインチュートリアル掲載ページ
http://www.usaco.co.jp/products/isi_rs/demo.html#tutrial
・登録ユーザー専用ページログイン
https://www.usaco.co.jp/products/isi_rs/en_support/login.html

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