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研究成果を世界に発表する手段としては,研究会での発表,学術雑誌への投稿,機関リポジトリ(IR)へのアーカイブ,著者のWebサイトでの公開などが複数あげられるが,学術論文がたどる 一連の流れの中で,研究会発表版・草稿版・修正版・刊行版・IR掲載版・html版・word版など,段階や用途により様々なバージョンが作られている。これら複数のバージョンを示す言葉や,バージョンを区別するための基準が現在まで統一されてこなかったことで,利用者もどの版なのか分からないまま利用することが多かった。 2008年4月,米国情報標準化機構(NISO)と学会・専門協会出版協会(ALPSP)によるNISO/ALPSP JAV Technical Working Groupは,バージョンの分類と定義に関する勧告レポート “Journal Article Versions(JAV):Recommendations of the NISO/ALPSP JAV Technical Working Group”を発表した。レポートでは, 論文の執筆・編集・流通・出版・検索・利用などにおける一連の電子化に伴い, 最新の記事が複数のバージョンを持つ事や,それらバージョン情報の詳細・関連性がしばしば不明瞭であることなどを指摘したうえで,論文を以下の7つに 設定・定義している。 1. 著者オリジナル(AO:Author’s Original) 2. 投稿中の原稿(SMUR:Submitted Manuscript Under Review) (ジャーナルの投稿規程に準じたレイアウト) 3. 受理された原稿(AM:Accepted Manuscript) 4. 校正中の原稿(P:Proof) 5. 出版用レコード(VoR:Version of Record) 6. 修正された出版用レコード(CVoR:Corrected Version of Record) 7. 強化更新された出版用レコード(EVoR:Enhanced Version of Record) Appendix1では,上記7つのバージョン関係や,灰色文献との関係を図で表し, これら全ての コンテンツに関連メタデータが埋め込まれるべきであることや, そのメタデータを成文化した優良な仕様が広く公布されるべきであることなど が述べられている。Appendix2では,各バージョンがどのような状況下で適用 されるのか,ワーキンググループが考案した26の具体例が紹介されており,著者・IR・出版機関の標準的な相互関係を説明するいくつかの基本事例から, 複数著者による複数IRへのアーカイブがもたらすバージョニング問題,リンク リゾルバーが検索ターゲットとする出版機関リソースとIRコンテンツ間の 異なるDTD問題,著者によるIRへのバージョンチェンジアラートなどについ て述べられている。ワーキンググループは,この定義がNISO/ALPSPによって雑誌論文関係者コミュニティすべて(著者,読者,図書館,出版機関,サービス プロバイダ,リポジトリ運用者,研究機関など)に公表されることを提案している。 バージョンを判断するための情報(要素)に関しては,イギリスJISCの 援助を受けて2007年7月〜 2008年5月まで活動したVIF(Version Identification Framework)が,以下の5つを対象コンテンツの メタデータもしくはコンテン ツそのものに埋め込むことを提言している。 1. 明確な日時(Defined dates) 2. 識別子(Identifiers) 3. Version番号(Version Numbering) 4. Versionの分類(Version Labels / Taxonomies) 5. テキスト記述(Text Description) VIFはまた,これらの情報をメタデータへの埋め込みと併せて,以下のいず れかの手法によって利用することも推奨している。 1. 特定のフィールドおよびIDタグ(ID Tags and Properties Fields) 2. 表紙(Cover Sheets) 3. ファイル名の仕様(File-naming Conventions) 4. すかし(Watermarks) NISO/ALPSP JAV Technical Working Groupや,VIFによる活動は,現在のと ころいずれも推奨段階 だが,今後のデータ標準化・仕様規定へ取り組みの足が かりとなるものである。これらの活動をもとに 定義が確立され,人もコンピュ ータも容易に論文のバージョン関係を判断できるようになると,異なるバージ ョンを含む利用統計データの収集の可能性も出てくるであろう。本テーマの発展は,研究活動評価の新たな指標を模索するMESURプロジェクトや剽窃行為 を発見する盗作防止システムの発展にも影響を与えるものであり,今後のさら なる進展が期待される。 ・レポートJournal Article Versions(JAV): Recommendations of the NISO/ALPSP JAV Technical Working Group http://www.niso.org/publications/rp/RP-8-2008.pdf ・NISO/ALPSP Working Group on Versions of Journal Articles http://www.niso.org/workrooms/jav ・Version Identification Framework http://www.lse.ac.uk/library/vif/ ・eSciDoc Project Duplication Detection Service http://www.escidoc-project.de/JSPWiki/en/DuplicationDetectionService ・本誌第184号トピックス「研究活動評価の新たな指標を求めて-MESUR-プロジェクト https://www.usaco.co.jp/u_news/detail.html?itemid=67&dispmid=605
2009年度の外国雑誌予約シーズンを前に,現時点で判明している主要出版社 別の値上げ状況 (外貨ベース)を報告します。タイトル選定,予算計画の参考 資料としてご利用ください。 ◇American Psychiatric Publishing, Inc・・・5% ◆American Society for Cell Biology・・・値上げなし ◇American Society for Pharmacology and Experimental Therapeutics ・・6% ◇American Society of Health-System Pharmacists・・・5% ◇American Society of Hematology(Blood) ・・・2009年よりTier制導入(シングルサイトはTier 1〜3) <プリント+オンライン>・・・Tier 1: 3%, Tier 2: 8%, Tier 3: 13% <オンラインのみ>・・・Tier 1: 2%, Tier 2: 7%, Tier 3: 13% ◇American Surgeon・・・12% ◆Cell Press・・・10% ◆Endocrine Society ・・・12% 上記以外の出版社の値上り状況については,情報を入手次第,随時報告する予定です。 【注意】 ◆印は,弊社の総代理店誌です。 タイトルを複数提供する出版社については,全タイトルの値上げ率の平均値となります。 あくまで目安としてご参照ください。
2008年8月14日,Ovid Technologiesが提供する新プラットフォームOvidSPが,利用者からのフィードバックを反映しMid-Summer version upを完了しました。 主な新機能や改良点をご案内します。 <新機能> 1. Multi Fields Search:検索フィールドを限定した検索式を複数同時に設定できる検索モードが登場 しました。 <改善点> 1. 従来は検索タブで表示されていた検索機能が,全てリンク形式で提供されるようになりました。 これにより,利用者のブラウザ画面の表示幅が狭い場合 にも,構成のくずれない検索画面を提供 できるようになりました。 2. Search History(検索履歴)が検索画面の上部に表示されるようになりました。 利用者の指定により,表示箇所を検索画面の下部に移動させることも可能です。 3. 表示フォントサイズを,ブラウザの機能を使って調整できるようになりました。 4. いままで検索結果画面左側に表示されていたSearch Aids(検索補助機能)が折りたたみ可能に なり,検索結果を広く表示できるようになりました。 5. Result Manager(検索結果マネージャー)が検索画面の上と下に表示されるようになりました。 6. 一つの検索結果に対して複数のAnnotation(注釈)を記載・編集できるようになりました。 7. My Projects(個々の利用者のための作業スペース)のリリースに先立ち,Personal Account (個人アカウント)の再登録画面が表示されます。パスワードやE-mailアドレスの確認のほか, 利用者名・機関名なども登録するようになります。 Mid-Summer version upに関し利用者側でのURL書き換えなどの作業は必要 ありません。 現在利用中の基本設定,保存検索式(Saved Search)やAuto Alerts (SDI)プロファイルは, そのまま継続して利用することができます。個人アカウントも,そのまま継続して利用できますが, 再登録を要請する画面が表示 されます。また,SilverPlatter製品のみをご利用の場合は,今回の version up による影響はありません。 Ovidは,OvidSP Resource Centerをインターネットで公開し,OvidSPの新 しい画面イメージや英語 での情報を提供しています。Ovid OvidSPへの移行に 関して,また,OvidSPの詳細については, 弊社までお問い合わせください。 なお,“My Projects”や各種プラットフォームの横断検索追加オプション ” Ovid Universal Search”は,今回のversion upには含まれておりません。 リリースに関する情報を入手し次第,改めて本ニュースにてご案内します。 ・OvidSP Resource Center http://resourcecenter.ovidsp.com/index.html ・Ovid Technologies Japan Office http://www.ovid.jp/site/index.html
ユサコは,Ex Libris社のリンクリゾルバー「SFX」のリンクターゲットに,日経BP社が提供する「日経BP記事検索サービス 大学版」を追加しました。 今回の対応により,SFXの電子ジャーナルリストやリンク生成ツール CitationLinker,および国立 情報学研究所が提供する論文情報ナビゲータ CiNii などから,日経BP記事検索サービスの フルテキスト記事にまでリンクするこ とが可能となります(リンクレベルは条件によって異なります)。 日経BP記事検索サービス 大学版は,日経BP社が発行する雑誌のバックナ ンバー記事を オンライン上でテキスト形式(本文のみ)またはPDF形式(記事 全体)でダウンロードすることができる 有料サービスです。 2008年8月現在,ビジネス,コンピュータ,ネットワーク,電子・機械・科学, 建設・土木,サービス, 医療関連など,多岐にわたる分野の48誌を収録しています。 ※今回SFXでリンクターゲットとなるのは44誌です。 ・日経BP記事検索サービス 大学版 http://bizboard.nikkeibp.co.jp/daigaku/ ・本誌第186号MetaLib:日経BP記事検索サービス 大学版に対応 https://www.usaco.co.jp/u_news/detail.html?itemid=69&dispmid=605
2008年8月5日付で,プライベートエクイティファンド*であるLeeds Equity Partnersによる,図書館システムベンダーEx Librisの買収が発表されました。 知識産業に積極的に投資するLeeds Equity Partnersは,Ex Libris前オーナ ーのFrancisco Partnersが所有する全株式を取得し,これによりEx Librisが Leeds Equity Partnersの傘下になり ましたが,Ex Librisの社長兼CEOである Matti Shem Tov氏は,財務基礎の一層の強化が計られる ことになるだろうと 歓迎のコメントを寄せています。この買収による同社のマネージメント体制, 戦略, 計画,および日本国内の販売体制などへの影響はないとのことです。 (*)プライベートエクイティファンド 未公開株式を取得し,株式公開や第三者に売却をすることで, キャピタルゲイ ンを獲得することを目的としたファンドのこと。(野村證券・証券用語解説集より引用) ・Ex Libris社プレス・リリース http://www.exlibrisgroup.com/catid=%7B916AFF5B-CA4A-48FD-AD54-9AD2ADADEB88%7D &itemid=%7B9ED4A073-B805-463B-B29C-801418FE1779%7D ・本誌第170号記事「Francisco Partners:Ex Libris社とEndeavor社が合併」 https://www.usaco.co.jp/u_news/detail.html?itemid=51&dispmid=605
9月3日(水)と5日(金)にそれぞれ東京と大阪で開催が予定されているEx Librisセミナーの当日プログラムをご案内します。 13:00-13:30 受付 13:30-14:00 Ex Librisのご紹介・国内販売体制のご案内 14:00-14:45 SFXのご紹介 14:45-15:00 コーヒーブレイク 15:00-15:30 電子情報資源管理システムVerdeのご紹介 15:30-16:00 MetaLibのご紹介 16:00-16:30 Primoのご紹介 16:30-17:00 質疑応答 ※東京会場,大阪会場ともに同プログラムです。 【お問い合わせ・お申し込み先】 ユサコ株式会社 システム販売事業部 Tel: 03-3505-3257 Fax: 03-3505-6283
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