本文へスキップします。

H1

ユサコニュース詳細

USACO News:詳細

2008/10/31:第189号英国・アイルランド図書館員の関心事ランキング
 

英国・アイルランド図書館員の関心事ランキング

英国国立・大学図書館協会(SCONUL:Society of College, National and University Libraries)は,同協会への参加メンバーを対象に,英国とアイルランドの図書館員および図書館管理者の関心事に関する調査を行い,報告書“SCONUL Top Concerns Survey 2008”を発表した。

 2007年度同様,Priority Research Ltd.社のウェブアンケートシステムを用いた調査には,SCONULメンバーの2/3以上が参加し,2週間で115の回答(昨年比19%増)が寄せられた。主な調査目的は,図書館員および図書館管理者が,過去3か月間と今後1年間のそれぞれにおいて,12のトピックスのうち,何に関心を高く寄せているかを把握することである。なお,本調査は英国スウォンジー大学(Swansea University)の図書・情報サービス部長(Director of Library & Information services)であるChristopher West氏によって企画・実行された。調査結果は,図書館管理者の現在の関心事を示す興味深い資料であり,SCONULの今後の計画を優先付ける際に役立つツールとしても認識されている。以下に,ランキングの一部を紹介する。なお,比較対象として,2007年度に行われた同調査結果も示す。
------------------------------------------------------------------------------------
<2008年度:過去3か月を対象とする関心事ランキング>
1. スペースと建物(Space and buildings):93%
2. 資金・財務管理(Funding and financial management):86%
3. 方針と戦略(Policy and Strategy):86%
4. 電子環境(E-environment):85%

<2008年度:今後1年間を対象とする関心事ランキング>
1. スペースと建物:94%
2. 資金・財務管理:84%
3. 電子環境:84%
4. 方針と戦略:81%

<2007年度:過去3か月を対象とする関心事ランキング>
1. 電子環境:88%
2. スペースと建物:84%
3. スタッフの配属と人材管理(Staffing and HR Management):80%
4. 方針と戦略:78%

<2007年度:今後1年を対象とする関心事ランキング>
1. 資金・財務管理:88%
2. 方針と戦略:87%
3. スペースと建物:84%
4. 電子環境:84%
------------------------------------------------------------------------------------
※パーセントデータは,各トピックスに対する回答者の関心度を“極度に低い”“かなり低い”“どちらでもない”“かなり高い”“極めて高い”の5つに分類し,そのうち,回答者が“かなり高い”もしくは“極めて高い”を選択した比率の合計値とする。

 2008年度の調査結果において,過去3か月,今後1年ともに最も注目を浴びたトピックスは,“スペースと建物”であった。これは,例えば建築プロジェクト,ラーニングスペース,スペース管理などへの関心を意味するものであり,過去3か月では93%,今後1年では94%の回答者が本項目を評価している。なお,それぞれ2007年度の評価が84%であったことを考慮すると,この1年で相対的に関心レベルが上昇したことが分かる。反対に,上記ランキングにはでてこないが,2007年度と2008年度を比較した際,関心レベルが下がった主なトピックとしては,“アクセスのためのサービス”(Service to Access)(76%→60%)や,“品質問題”(Quality Issues)(55%→42%)などが挙げられる。アクセスのためのサービスとは,開館時間,セルフサービス,無線ICタグ技術,ドキュメントデリバリーサービスなどを指し,
品質問題とは,機関レベルの監査や外部検証などへの関心を指す。

 e-ラーニング,電子リソース,アクセス管理などの電子環境には,引き続き高い関心が示されている。なお,一言に電子環境と言ってもその内容は広範囲に渡るため,2008年度の調査では,電子環境を大きく8トピックスに分け,それぞれの今後1年の関心度を確認した。すると,オープンアクセス出版への関心が43%であったのに対し,アクセス管理への関心は87%を示すことなどが分かった。アクセス管理への高評価に関しては,本項目が比較的最近のもので,議論を起こしやすいタイプのものであることが影響している。その他,上位ランキングは以下の通り。

<2008年度:今後1年間を対象とし,電子環境に特化した関心事ランキング>
1. アクセス管理(Access Management)87%
2. 電子リソースの提供(Provision of E-Resources)86%
3. その他(Other)84%
4. 機関リポジトリ(Institutional repositories)79%

 なお,報告書には今回のデータを,回答者の出身地,機関タイプ,FTE学生数別に再分類したグラフも報告されているが,これらの結果のいくつかは,サンプルサイズが小さい場合もあり,その数値を決定的と捉えるよりは,大きな指標として考慮するべきであるとも記載されている。

 現在,こうした調査報告書は複数の機関・団体によって定期・不定期的に行われており,SCONULによる関心事ランキングも,今年で4度目を数える。今後も時代を映す鏡として機能することを願いつつ,調査実行機関や回答者に敬意を表したい。

・SCONUL Top Concerns Survey 2008 フルレポート
http://www.sconul.ac.uk/members/topconcerns/report2008.pdf
・Christopher West氏のレポート
http://www.sconul.ac.uk/members/topconcerns/focus_article.pdf
*2008年4月,英国大学図書館コンソーシアム(CURL:Consortium of Research Libraries)は
RLUK:Research Libraries UKと名称を変更した。
・RLUK プレス・リリース
http://www.rluk.ac.uk/node/477

ebrary:Java版ebrary Readerを体感できるLibrary Centerを公開

書籍のオンライン利用をより簡単に,かつ効率的に行うためのコンテンツとテクノロジーを提供するebraryが,新たなebrary Readerを気軽に体感できるサイトLibrary Centerを無料公開しました。Library Centerには,電子図書館の発展,一般的な蔵書収集の発展,図書館とその地位を巡る歴史などに関する書物から,米国議会図書館が発行するイラスト入りガイドブックまで,85を超えるフルテキストブックが収録されています。なお,従来既存顧客にのみ公開されていたベータ版サイトは2008年10月1日をもって終息しています。

新たなebrary Readerは,Javaソフトウェアを利用したプログラムです。以前のように,プラグインソフトを配布・実装する必要がないため,利用環境が改善されました。以下,新機能の一部をご紹介します。

・Table of Contents(TOC)画面で,検索語の有無をチャプター単位で確認することができるようになり
 ました。検索語がヒットしたチャプター左側に虫眼鏡アイコンが表示されます。
・本文テキストの音声再生(英語のみ)が可能になりました。ピッチやスピードの調整も可能です。
・本文テキストへのハイライト機能が改善されました。ハイライト箇所への注釈の書き込みが可能と
 なり、注釈ウィンドウの大きさ,位置,色指定の変更や,日本語入力ができるようになりました。
・本文テキストへのハイパーリンクの設定が可能になりました。

 ebraryをすでに導入いただいている機関で,新たなebrary Readerへの変更をご希望のお客様は,切り替えが可能です。詳細は,弊社までご連絡ください。

・Library Center
http://site.ebrary.com/lib/librarycenter2
・ebraryサイト
http://www.ebrary.com/
・弊社ebraryサイト
http://www.usaco.co.jp/products/ebrary/
・新たなebrary Readerの案内カタログ(日本語)
http://www.usaco.co.jp/products/ebrary/ebrary_New_Reader_brochure_200810
・本誌第182号記事「ebrary:新たなebrary Readerの紹介」
https://www.usaco.co.jp/u_news/detail.html?itemid=65&dispmid=605

AAAS:図書館総合展にてScienceプレゼンテーションを開催

世界最大の発行部数を誇り,あらゆる科学分野を扱う科学ジャーナルScienceの発行元AAAS(米国科学振興協会)は,第10回図書館総合展で「Scienceの新しい取り組み」と題するプレゼンテーションを開催します。

 Science onlineは,サイエンス誌が毎号発刊されると同時に,掲載論文の抜粋とニュース記事の要約を掲載するサイトです。プレゼンテーションでは,Science onlineのOpenURL対応についての取り組みを始め, 日本語サイトの運営,Yahooリンクへの取り組み,また,新しくなったScience Signalingについてご案内します。

 Science Signaling:細胞制御プロセスに関するオンラインリソース・情報管理ツール。1996年にSignal Transduction Knowledge Environment(STKE)として創刊され,2008年1月にScience Signalingに名称変更しました。

・タイトル:Scienceの新しい取り組み
・日程:2008年11月28日(金)(16:00-16:40)
・会場:パシフィコ横浜 展示ホールB Presentationコーナー
・講師:Ms. Kiki Forsythe 逐次通訳(英→日)
・主催:AAAS/Science

【お問い合わせ・お申し込み先】
参加ご希望の方は,件名「図書館総合展プレゼンテーション参加希望」,メッセージ本文には,お名前,ご所属先,E-mailをご記入の上,Science日本事務所までお申し込みください。
申し込みE-Mail: hara@sciencemag.jp

Thomson Scientific:Web of Knowledgeバージョンアップのお知らせ

ISI Web of Knowledge,Web of Science,EndNote Webがバージョンアップしました。
以下に,内容の一部をご案内します。

1.ISI Web of Knowledge

a.簡体字中国語検索インターフェイスを提供
 インターフェイスに簡体字中国語のオプションが付きました。各製品ページの検索画面左下にある 
 "View in"部分で簡体中文/Englishを選択できます。
b.検索結果をローカルパソコンの文献管理ソフトに簡単ダウンロード
 検索結果表示画面上部に,文献管理ソフトへのダウンロードボタンを用意することで,EndNote,
 Reference Manager, ProCiteなどを用いた文献リストの構築がさらに簡単になりました。
c.Scientific WebPlusの拡張
 ISI Web of Knowledgeで他のDBを検索する際,700以上の機関リポジトリに収録されている論文,
 技術レポート,学位論文などを同時に検索することができるようになりました。Scientific WebPlusは,
 トムソン・ロイターの学術専門家・編集者らによって選定,科学的にフォーカスされたWebサイトを対
 象とするWebサーチエンジンです。
d.NCBIリンク
 検索結果から米国国立バイオテクノロジー情報センター(NCBI)の情報に直接リンクできるようになり
 ました。
e.調べたいエディションに直接アクセス
 Web of Science,Current Contents Connect,Derwent Innovations Index(DII)の個々のエディション
 に直接リンクできるURLができました。

2.Web of Science

a.Conference Proceedings Citation Indexを追加
 ISI Proceedings(会議録文献情報)は,Web of Scienceに統合され,Conference Proceedings
 Citation  IndexのScienceエディション(CPCI-S)とSocial Science & Humanitiesエディション
 (CPCI-SSH)になりました。いずれも有料オプションですが,これにより,会議,シンポジウム,
 セミナー,学会,ワークショップなどで発表された情報と,高品質のジャーナル情報を一緒に検索
 できるようになりました。
b. Citation Mapの機能強化
 Citation Mapにスライダーバーが加わりました。これにより,Citation Mapの範囲(年代)を限定し,
 見たい年代のみの引用関係を表示できるようになりました。
c. 著者の所属を確認
 論文の著者とその所属アドレスに独自の番号がつきました。割り当てられた番号をクリックするだけ
 で,所属を確認できます。

 詳細は,弊社までお問い合わせください。

・トムソン・ロイター アップグレードに関する音声ガイド
http://www.brainshark.com/brainshark/vu/view.asppi=664807036
(URLのクリックで音声ガイドが開きます)
・トムソン・ロイタ− 5分でわかる!Web of Science
http://www.thomsonscientific.jp/products/wos/search_tips/index5.shtml
・弊社 トムソンロイター製品紹介サイト
http://www.usaco.co.jp/products/isi/index.html

ユサコニュース一覧に戻る