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ユサコニュース詳細

USACO News:詳細

2009/09/30:第199号 査読と研究者の意識
 

査読と研究者の意識
学術雑誌では,投稿された論文を査読(Peer Review)することでその掲載可否を決めることが一般的で,学術出版において査読は重要な役割を果たしている。しかし,雑誌や学問分野それぞれに手順や基準が異なるうえ,査読者への負担も大きいことなどから,その最善手段の模索が続いている。
イギリスの慈善団体Sense About Scienceは,世界中の研究者を対象に,査読および査読の将来に
関する研究者の意識調査を目的とする大規模な“Peer Review Survey 2009”を実施し,9月8日に仮の調査報告を公開した。以下に報告の一部を紹介したい。

査読者側の意識
(1)査読をする理由:査読をしたことのある研究者の90%は査読をする理由として,自らが属する学術
コミュニティの中で積極的な役割を果たせるということを挙げている。その一方で,昨年査読を依頼された研究者の61%は,査読を断っており,その主な理由として,自らの専門性の欠如を挙げている。
(2)査読方法についての意識:研究者の56%は,査読方法についての指導がないと感じており,68%は公式のトレーニングを行うことで査読の質が向上すると考えている。(3)匿名性についての意識:
研究者の半数近くは,査読者として自分の名前や査読内容を公開されたくないという意識を持ち,76%はダブルブラインド法(著者と査読者とがお互いに相手の名前を知らない状態で行われる方法)を望んでおり,査読の匿名性への希望の高さが示された。(4)査読の報酬についての意識:52%の研究者が査読に対する何等かの報酬があれば査読に対するインセンティブが働くと感じているが,その報酬に対して論文執筆者が負担をすべきと考えている研究者は2.5%にとどまった。

論文執筆者側の意識
(5)査読システムについての意識:研究者の69%は,現在の査読システムに満足しているものの,現在のシステムが最善だと考える研究者は32%にとどまった。また,研究者の91%は,査読の結果,論文の内容が改善されたと答えており,79%以上の研究者が査読の意義として,投稿誌の内容に即した論文の識別,論文のオリジナリティや重要性の確認,剽窃や不正行為の発見を挙げており,査読システムに対する期待の高さを表している。一方,実際に剽窃や不正行為が防がれていると感じている研究者は4割弱にとどまっており,期待と現実が乖離している現状が見受けられる。(6)査読の問題点についての意識:研究者の43%は投稿から採否の決定までにかかる時間が長いと回答している。実際の
査読に要した時間を確認する項目では,回答者の47%が5時間以内,29%が6-10時間を選択しており,平均は6時間となった。また,86%の査読者は,査読の了承からコメント送付までに1カ月以内の時間を費やしている回答した。

 本調査は2009年7月28日から8月11日の間,ISI著者データベースからランダムに抽出した40,000人を対象に実施され,得られた4,037名の回答を分析したものである。今回の先行公開に続き2009年11月には最終レポートがリリースされる予定であり,そこでの成果にも注目したい。

・Sense About Science:Peer Review Survey 2009
http://www.senseaboutscience.org.uk/index.php/site/project/395

EndNote X3 Macintosh版 販売開始のご案内
弊社はEndNote X3(Ver.13) Macintosh版の国内での販売を2009年9月28日より開始しました。
これに伴い,従来のEndnote X2 Macintosh版の販売を終了しました。

EndNote X3 Macintosh版 の発送開始は2009年10月5日(月)を予定しています。

●EndNote X3 Macintosh版 の主な強化点
・ 起動時間の大幅な短縮
・ ライブラリの圧縮時にファイル添付の有無や対象レコードを選択
・ グループ内を整理するための新たなグループ機能を追加
・ 重複文献を左右に並べ詳細を比較・整理
・ Find Full Text機能の接続先を指定
・ 従来の文末に加え,セクション間にも参考文献リストを作成
・ アメリカ化学会(ACS)などで採用されているグループ引用の投稿形式に対応
・ Cite While You Write機能がApple Pages'09にも対応
・ EndNote Webアカウントを標準装備
・ 3,700種類以上の投稿スタイルを搭載

●動作環境(2009年9月現在)
・対応OS:Mac OS 10.5.6以降
・RAM容量:256MB以上
・HD空容量:180MB以上
・対応ワープロ:MS Word 2004 / 2008,Apple Pages'09
・CPU:450MHz以上
・CD-ROMドライブ(インストール時に必要)

価格・注文方法・無償アップグレードなどの詳細は,弊社ホームページを参照ください。

・弊社EndNoteサイト
http://www.usaco.co.jp/products/isi_rs/endnote.html


図書館総合展フォーラム:Ex Libris
弊社は,第11回図書館総合展においてEx Libris社のフォーラムを開催します。

・概要
 情報プロバイダーは品質の優れた数多くの情報を出版して世界中に普及させ、図書館は限りある
ローカル資源を最大限に活用して利用者の情報探索を支援してきました。こうしてアクセス可能な資源が増加する一方で、利用者は分散する複数の情報リポジトリの取り扱いやメタサーチシステムの限界などの課題にも直面するようになりました。
 今回のフォーラムでは、今日の図書館利用者を支援するためにEx Librisが実現する2つの新ツールを中心にご紹介し、統合の持つパワーと可能性について言及します。1つめの“Primo Central”は複数の情報プロバイダーから提供される数億件の学術情報を一元管理するインデックスで、分散する情報サービスの統合化を目指します。2つめの“bX”はリンクリゾルバーの利用実績に基づく論文レベルの
レコメンダーサービスで、利用者が見つけ出せなかった新たな論文情報の発見を支援します。

オリジナルタイトルは「Leveraging the power of aggregation to achieve an optimal research environment」です。

・タイトル:Ex Librisが実現するサービスの統合化と利用者環境の向上
・日程:2009年11月11日(水)15:30-17:00
・会場:パシフィコ横浜 フォーラム第2会場
・講師:Tamar Sadeh (Ex Libris, Director of Marketing) 逐次通訳付き(英→日)

【お問い合わせ・お申し込み先】
ユサコ株式会社システム販売事業部
Tel: 03-3505-3257 Fax: 03-3505-6283

※先着順受付となります。是非お早めにお申込みください。


図書館総合展フォーラム:ebrary
 弊社は,第11回図書館総合展においてebraryのフォーラムを開催します。

・概要
 英国ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの情報行動・研究評価センター(CIBER)は,厳しい経済情勢の中での電子リソースの課題,動向,最善策の把握を目的とする世界的な図書館調査を実施しました。本フォーラムでは,この調査のスポンサーであるebraryよりインターナショナル・セールス責任者のIan Hames氏を招き,調査結果と電子ブックを取り巻く状況について報告します。

・タイトル:厳しい経済情勢における電子サービスの変化と動向の調査報告
・日程:2009年11月12日(木) 15:30-17:00
・会場:パシフィコ横浜 フォーラム第4会場
・講師:Ian Hames(ebray,VP International Sales) 逐次通訳付き(英→日)

【お問い合わせ・お申し込み先】
ユサコ株式会社 ライブラリーアンドエージェント事業部
Tel: 03-3505-3256 Fax: 03-3505-6282

※先着順受付となります。是非お早めにお申込みください。


書館総合展フォーラム・レセプション:Science/AAAS
AAAS(米国科学振興協会)は,同協会が2009年10月7日に創刊するジャーナル
「Science Translational Medicine」に関するフォーラムを第11回図書館総合展で開催します。
Science Translational Medicineは,基礎研究から見出した新しい発見を臨床研究につなげる新しい
専門領域を提供します。フォーラムでは,同雑誌のSenior Editorを務めるKelly LaMarco氏による出版の目的,編集方針,掲載される論文と編集陣の紹介を行います。

該当分野:癌,糖尿病,脳神経疾患,免疫疾患,遺伝子治療,毒性評価,生物工学,新薬開発など
       人の予防,診断,治療に関わる研究

・日程:2009年11月10日(火)講演会:15:30-17:00 レセプション:17:30-19:00
・会場:パシフィコ横浜 アネックスホール
・講師:Dr. Kelly LaMarco, Science Translational Medicine Senior Editor
     Mr. Dennis Normile ,Science News Correspondence
     Ms. Kiki Forsythe, Science SOL Team
・参加費:無料

【お問い合わせ・お申し込み先】
サイエンス日本事務所 担当:井手菜々子
Tel:03-6802-4616
E-Mail:ide@sciencemag.jp
※先着順受付となります。是非お早めにお申込みください。


MLA:2010年度雑誌価格情報を公開
アメリカ医学図書館協会(MLA:Medical Library Association)の学術コミュニケーション支援特別委員会(Ad Hoc Committee for Advocating Scholarly Communications)は,2010年度の雑誌価格情報をリスト化し,同協会のウェブサイトで公開しています。リストには,現在の経済情勢を認識したうえで2010年度の雑誌価格を据え置きした出版者や,価格に関する追加オプションを提供する出版者が
数多く記載されており,これらの情報は定期的にアップデートされるとのことです。

・MLA 2010年度雑誌価格一覧
http://www.mlanet.org/resources/publish/sc_2010-prices.html

Google:On Demand Book社と提携
GoogleとOn Demand Books社との提携が2009年9月17日に発表されています。

 これによりGoogleは,同社がデジタル化した電子書籍のうち,著作権の切れた200万タイトル以上を,On Demand Books社が提供するオンデマンド製本機“Espresso Book Machine”を通じて利用者に
提供することができるようになります。

 Espresso Book Machineは,300ページのペーパーバックをおよそ4分で印刷して製本することのできる,小型の高速製本マシンで,ミシガン大学図書館,ニューオーリンズ市公共図書館,アレクサンドリア図書館などの機関にすでに導入されています。

・On Demand Booksニュース
http://www.ondemandbooks.com/ODB%20and%20Google%20Press%20Release%2009-17-09.pdf
・Inside Google Books
http://booksearch.blogspot.com/2009/09/books-digitized-by-google-available-via.html
・本誌第197号トピックス:「電子ブックとオンデマンド印刷」
https://www.usaco.co.jp/u_news/detail.html?itemid=81&dispmid=605

情報プロフェッショナルシンポジウム(INFOPRO2009)のご紹介
今年で第6回目となる情報担当者のためのシンポジウムが,以下の要領で開催されます。
発表プログラムが公開され一般聴講の受付中です。

・期日:2009年10月14日(水)〜15日(木)
・会場:日本科学未来館 (東京 お台場)
・特別講演:10月14日 15:30〜17:00
 「イノベーションにおける情報専門家の役割」
 吉川弘之氏
  (独)産業技術総合研究所 最高顧問
  (独)科学技術振興機構 研究開発戦略センター長
・トーク&トーク 15日 10:00〜12:30
 「ワンランク上のインフォプロ」
・一般発表 14日午後,15日午後 
・情報交流会 14日 17:30〜19:30  7階のレストランで開催
・プロダクトレビュー 情報関連企業 15日午後 C会場
・展示コーナー(両日とも)
    情報関連企業による展示、およびINFOSTAのOUG,SIGの活動紹介
・詳細情報および申込みは
    http://www.infosta.or.jp/symposium/infopro2009sankabosyu.html

 ユサコはプロダクトレビューで論文レベルのレコメンデーションサービス「bX」をご紹介するほか,
ブース出展します。

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