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ユサコニュース詳細

USACO News:詳細

2009/10/31:第200号 創刊200号を記念して 社長挨拶
 

創刊200号を記念して 社長挨拶
平素はユサコニューメディアニュースをご愛読いただき,誠にありがとうございます。
この度,皆さまのご愛顧に支えられ,創刊 200号を迎えることができました。

 本ニュースは,図書館員や情報スペシャリストの方々に,学術出版の電子化をめぐる国際的な業界ニュースやトピックス,新製品情報などをお届してまいりました。1990年の創刊から約20年が経過し,学術出版を取り巻く環境は大きく変化しました。電子化の流れは出版技術の変化だけでなく,出版物の流通にも大きな影響を与えております。そしてこれらの変化に伴い,図書館における業務も大きく
変化したことと思います。

 本ニュースも創刊200号を節目に,名称を「ユサコニュース」と変更させていただくことになりました。今後は従来のテーマに新たな視点を加え,例えば独自の取材に基づくニュースや,お客様との対話を目指した双方向型のニュースをお届けしたいと考えております。

 ユサコは来年2010年に創業60周年を迎えます。ユサコニュースと同様に新たな気持ちでより良い
サービスをご提供出来るように努力する所存です。
引き続きご愛顧いただきますよう,よろしくお願い申し上げます。

平成21年10月
ユサコ株式会社
代表取締役社長
山川 真一

OpenURLリゾルバーの利用ログの活用と可能性
英国情報システム合同委員会(JISC)のデータセンターであるEDINA(所在:エディンバラ大学)は,
2008年12月1日から2009年4月30日までの期間でOpenURLリンクリゾルバーに記録される利用データ
の活用に関する調査プロジェクト(Shared OpenURL Data Infrastructure Investigation)を実施しその
最終レポートを公開した。

 本プロジェクトの目的は,OpenURLのリンキングデータの解析による継続的なサービス提供基盤を
構築するために英国でどのような骨組みにすべきか調査することである。プロジェクトチームは,リンク
サーバのデータ共有とその利用に関連する技術面・法律面・管理面での問題に一定の考察を試みた。

 英国で,このようなイニシアチブが早期に実施される背景としては,EDINAが運営する OpenURL
ルータと呼ばれるサービスが提供されていることがあげられる。これは,全ての高等教育・継続教育
(HE・FE)機関が設置するリンクリゾルバーの集中レジストリとして機能するサービスである。
通常のリンキングモデルでは,エンドユーザのリンクリクエストはその所属機関のリゾルバーに送られ
,機関の購読情報に適したサービスにナビゲートされるが,このOpenURLルータを利用した場合は,
全てのエンドユーザのリクエストがOpenURLルータに送られ,その後,エンドユーザの認証情報に基
づきその所属機関のリゾルバーにリダイレクトされる。各サービスプロバイダーに登録するベース
URLは全てopenurl.ac.ukに統一されるため,リンクリゾルバーの設定作業が簡略化される。
本プロジェクトはこのOpenURLルータの利用ログもその対象とした。

技術的側面の結果
 レポートでは,リンクリゾルバーの利用データを共有する際の必要条件として,1)機関リゾルバー
からデータをハーベストすること,2)データに(匿名化された)利用者情報,アイテム情報,日時情報を
含むこと,3)参加機関の前向きな姿勢(ハーベストメカニズムへのアクセス許可,ローカル作業への
理解など),4)利用データへのアクセス・ダウンロードを可能にするメカニズム,5)データを蓄積する
中枢基盤の構築などの条件が提示された。OpenURLルータでは各機関のリゾルバーからハーベスト
する必要がなく,簡単で入手コストがあまりかからない半面,情報が限られているため,分析に使う
ことは難しいと報告された。

法律面
 法律面では,IPアドレスが個人データの構成要素にあたるか否かについての協議が進んだ。
個人データとは,特定可能な生存する個人に関連するデータを指す。JISCが2008年9月に発表した
利用統計に関するレポートによると,IPアドレスの登録と処理,cookiesの利用は,プライバシー法に
違反する可能性があると発表されている。一方で,IPアドレスは個人よりもコンピュータを識別するもの
であり,その利用目的がウェブサイト利用のパターンの集合を分析するためであるのならば,必ずしも
個人データではなく,データ保護法の対象にならないという意見もあり,イギリスでは現在議論中の
テーマとされる。

管理面
 図書館は,原則的にはデータの共有に前向きであるが,その条件として,データ共有により生じる
明確なメリット,データの容易な貢献またはリゾルバーベンダーからのダイレクト取得,利用者と機関
双方の匿名性の確保,非営利目的での使用,データ保護法の厳守などが挙げられた。 大量データ
の処理設備についてはNational Data Centerで可能であることが挙げられたが,これに関する実現
可能性は本段階ではクリアされなかった。

 本プロジェクトは,リンクリゾルバーの利用ログが持つ潜在的な利用可能性を探る上でも興味深い。
米ロスアラモス国立研究所研究図書館が推進するMESUR(Metrics from Scholarly Usage of
Resources)プロジェクトでの取組みや,Ex Libris社による論文レコメンダーサービス「bX」の提供なども
あり,今後,新たな展開が期待される分野と思われる。


・EDINAサイト
http://edina.ac.uk/
・Shared OpenURL Data Infrastructure Investigtionプロジェクト最終レポート
http://edina.ac.uk/projects/docs/090713OpenURLDataReportFinalSubmittedToJISC.pdf
・OpenURL Router
http://openurl.ac.uk/doc/
・本誌第184号トピックス:「研究活動評価の新たな指標を求めて-MESUR-プロジェクト」
https://www.usaco.co.jp/u_news/detail.html?itemid=67&dispmid=605


JSTOR:新コレクション追加のお知らせ
コアな学術ジャーナルのバックナンバーを電子的に提供するプロジェクトJSTORに,
新たに「Arts & Sciences VIII」コレクションが追加されます。

 Arts & Sciences VIIIコレクションには,美術および美術史,古典,哲学,言語および文学,音楽などの分野を中心に,人文・社会科学全域を網羅する,16分野,少なくとも140のタイトルが,2011年の
コレクション完成時までに収録される予定です。

 芸術系の収録コンテンツには,メトロポリタン美術館,フリック・コレクション,ブルックリン美術館の
協力のもとにデジタル化された19世紀から20世紀初頭の珍しいアメリカン・アートの定期刊行物などが含まれます。音楽関連では高等教育音楽協会(College Music Society)や全米音楽教育協会
(MENC:National Association for Music Education)が発行する教育タイトル,American Institute of Musicologyが出版する“Musica Disciplina”,International Library of African Musicが出版する“African Music”などが収録されます。その他,言語および文学,歴史,哲学,古典分野には,“Zeitschrift Fur deutsches Altertum und deutsche Literatur”,“Journal of South Asian Literature”,“Revista Chilena de Literatura”,“English in Africa”,“Glotta:Zeitschrift fur griechische und lateinische sprache”などの国際的なタイトルを幅広く収録します。

 コレクション完成前のリリースのため,収録タイトル数に応じた割引金額が適用されます。2009年度に利用を開始する場合,年間利用料(AAF:Annual Access Fee)は免除されます。また,2010年度のAAFは通常価格の20%を予定しています。

 詳細は弊社までお問合せください。

・JSTORホームページ Arts & Sciences VIIIコレクションタイトルリスト>
http://www.jstor.org/action/showJournalsbrowseType=collectionInfoPage&selectCollection=asviii
・JSTORホームページ
http://www.jstor.org/
・弊社JSTORサイト
http://www.usaco.co.jp/products/jstor/index.html

Science/AAAS:Science Translational Medicine創刊のご案内
AAAS(米国科学振興協会)から2009年10月7日に新たに「Science Translational Medicine」が創刊
されました。Science Translational Medicineは,基礎研究から見出した新しい発見を臨床研究につなげる新しい専門領域を提供します。

該当分野:癌,糖尿病,脳神経疾患,免疫疾患,遺伝子治療,毒性評価,生物工学,新薬開発など
       人の予防,診断,治療に関わる研究

同協会は,同誌を割引価格で提供するキャンペーンを以下の通り実施しています。

【割引率】
・非営利団体:通常価格より50%オフ
・企業   :通常価格より35%オフ
【購入期限】
2009年12月18日まで
 ※Science OnlineとScience Translational Medicineは,同一代理店からのみ購入可能となります。
【トライアル】
 3ヶ月無料(詳細は弊社までお問い合わせください)

また,同誌に関するフォーラムが第11回図書館総合展で開催されます。先着順受付となりますので,是非お早めにお申し込みください。

・サイエンス日本事務局ホームページ Translational Medicineプレスリリース
http://www.sciencemag.jp/special/tm/index.html
・本誌第199号「図書館総合展フォーラム・レセプション:Science/AAAS」のご案内
https://www.usaco.co.jp/u_news/detail.html?itemid=83&dispmid=605


Springer:新製品「Springer Materials - The Landolt Bornstein Database(シュプリンガー・マテリアルズ)」を発売
Springer社は,材料科学・工学・物理学者のためのファクトデータベースSpringer Materials - The Landolt Bornstein Database(シュプリンガー・マテリアルズ)を2009年10月より発売開始しました。

 Springer Materialsは,物理学・工学・化学分野において厳選された体系的かつ包括的な物質情報を提供する世界最大のオンライン・データベースです。Landolt-Bornstein(ランドルト・ベルンシュタイン)のニュー・シリーズ(第7 版,1961 年以降)をデータベース化し,12万以上の図表を含む6万8,000件 のオンラインドキュメント(19万ページ相当),100万を超える参考文献,6万5,000以上のキーワードを収録しています。

※Landolt-Bornsteinは,Springerの創業者であるユリウス・シュプリンガーと,物理化学教授であったランドルトとベルンシュタインによって1883年にベルリンで創設されたブックシリーズです。
世界の1,000人以上の科学者によって選ばれた自然科学・工学全分野の研究雑誌の原著論文を
基礎とし,その中から厳しい評価を経て選択された体系的かつ包括的なファクト・データ集です。

【取扱テーマ】
粒子・原子核・原子,分子とラジカル,電気的構造と輸送,磁気性,半導体性,超伝導性,結晶学,
熱力学,多相系,先端材料,先端技術,宇宙物理学と地球物理学

【トライアル】
2ヶ月無料

詳細は弊社までお問い合わせください

・Springer Materialsウェブサイト
http://www.springermaterials.com/navigation/
・シュプリンガー・ジャパン:Springer Materials製品サイト
http://www.springer.jp/database/springermaterials.php
Ex Libris:bX導入機関が180を突破
Ex Libris社は,同社が2009年5月にサービスをスタートさせた学術レコメンデーションサービスbXが,北米,ヨーロッパ,アジア太平洋地域で合計180以上の学術機関・コンソーシアムに導入されたことを発表しました。

 bXは世界中の研究機関の図書館利用者による数千万のリンク操作の分析に基づいた論文レベルのレコメンデーションを提供する,Web2.0タイプの最新サービスです。プレス・リリースでは,bXを新たに導入した機関・コンソーシアムの一部を発表しています。

・アリゾナ州立大学,コネティカット大学健康センター,イースタン・ミシガン大学,
 アイオワ大学,カンザス州立大学,ウェスタン・ミシガン大学など(アメリカ合衆国)
・カルガリー大学(カナダ)
・オールボー(Aalborg)大学(デンマーク)
・プラハ・カレル大学(チェコ)
・Finnish National Electronic Library(FinELib)コンソーシアム(フィンランド)
・LIBRIS - Swedish University & Research Libraryコンソーシアム(スウェーデン)
・チューリッヒ工科大学(ETH Zurich)(スイス)
・プリマス大学(イギリス)
・ナンヤン工科大学(シンガポール)
・東京理科大学(日本)
・College of Management Academic Studies (イスラエル)

 なお、第11回図書館総合展の弊社フォーラムにて、bXの紹介を予定して
います。興味のある方は是非参加をご検討ください。

・Ex Librisプレス・リリース
http://www.exlibrisgroup.com/catid={916AFF5B-CA4A-48FD-AD54-9AD2ADADEB88}&itemid={89B7D0C1-173E-45A3-AED7-323B7C12DD76}
・本誌第199号「図書館総合展フォーラム:Ex Libris」のご案内
https://www.usaco.co.jp/u_news/detail.html?itemid=83&dispmid=605

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