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2010/03/31:第204号 研究活動に関する国別指標
 

研究活動に関する国別指標

米国国立科学財団(NSF:National Science Foundation)の科学委員会(National Science Board)は2年に一度,科学工学指標(SEI:Science and Engineering Indicators)という報告書を刊行している。SEIは,主に教育研究活動を対象としたデータをまとめており,米国および国際的な学術研究の動向を幅広く追うことができる資料である。そのSEIをベースに同委員会が2010年1月に発表した,“Key Science and Engineering Indicators 2010(以下Key SEI 2010)”の知見を以下に紹介する。

 Key SEI 2010では,トムソンロイター社のSCIとSSCIのデータを使い,1995年から2007年までの国別の学術論文数を発表している。2007年度に収録対象となった論文数は約75万件で,国別に見ると,1位:アメリカ(27.6%),2位:中国(7.4%),3位:日本(6.9%)である。ちなみに,中国は1995年には14位だった。

 研究者数についてKey SEI 2010はOECDの“Main Science and Technology Indicators”をもとに分析している。それによると,研究者数は1995年の400万人から2007年には580万人に増加した。2007年度の研究者数の各国別の割合は,アメリカ:25.3%,中国:24.6%,EU27ヶ国:23.5%,日本:12.2%,韓国:3.8%である。しかし成長率を見ると,アメリカ:3%,EU-27ヶ国:3%,日本:0.5%に対し,シンガポール:11.3%,中国:8.7%,台湾:7.6%と,日本を除くアジア諸国の躍進が目立つ。

 2007年度の研究開発予算は全体で1兆1,071億ドルと報告されている。国別に見ると,1位:アメリカ(33.3%),2位:日本(13.3%),3位:中国(9.2%),4位:ドイツ(6.4%),5位:フランス(3.9%)となっている。ここでも中国の成長率は高く,過去10年間の年平均成長率は19%を越えている。

 経済とともに科学技術分野においても中国の存在感は急速に増している。2006年2月に公表された国家中長期科学技術発展計画綱要には,2020年までに研究開発投資を対GDP比2.5パーセント以上にする目標が掲げられている。また,中国人による発明特許・科学論文引用数を世界5位以内にするというより具体的な目標が設定されている。
科学技術立国を標榜する日本が,今後も研究活動の水準を維持向上させ,このような指標で上位にランクされ続けることを切に願う。

・KEY SCIENCE AND ENGINEERING INDICATORS: 2010 DIGEST
http://www.nsf.gov/statistics/digest10/
・Science and Engineering Indicators: 2010
http://www.nsf.gov/statistics/seind10/start.htm


創薬情報ポータル“Prous Science Integrity”名称変更のお知らせ

トムソン・ロイターは,同社が提供する創薬情報ポータル“Prous Science Integrity”の名称を 2010年3月29日より“Thomson Reuters IntegritySM”に変更しました。これに合わせて,Integrityの拡張モジュールである“BIOMARKERcenter”の名称も“Biomarkers Module”に変更されます。

 Thomson Reuters Integrityは,医薬品の発見・開発を支援する統合ポータルで,30 万点以上の活性化合物と 13 万件を超える特許ファミリーのレコードの生物学的,化学的,薬理学的データを集約した
ナレッジソリューションです。

 またBiomarkers Moduleは,あらゆる主要な治療領域で積極的に利用されているバイオマーカー情報を収載するユニークなデータベースです。

 今回の名称変更に伴う製品機能(全体的な外観/機能/操作性)は現段階では変更ありません。
アクセスURLも変更はありません。

 詳細は弊社までお問い合わせ下さい。

・Thomson Reuters Integrity
http://science.thomsonreuters.jp/products/integrity/
・Biomarkers Module
http://science.thomsonreuters.jp/products/bmc/
・弊社Integrity商品案内ページ
http://www.usaco.co.jp/products/prous/index.html

RSC:電子ジャーナルパッケージ 3ヶ月無料トライアルのご案内

英国化学会(RSC:Royal Society of Chemistry)は,同会が提供する電子ジャーナルパッケージを
3ヶ月間無料で提供するキャンペーンを実施します。

 RSCのピアレビュージャーナルの特徴は,高いインパクトファクター,刊行スピードの速さ,最先端の
研究内容です。「Chemical Science」,「Chemical Communications」,「Chemical Society Reviews」
などの代表誌をはじめ,RSC刊行の全オンラインジャーナル(39タイトル)が今回の無料トライアルの
対象となります。

・提供期間 : 2010年5月1日から7月31日まで (3ヶ月)
・申込締切日  : 2010年4月23日(金)

タイトルリストの詳細やトライアルお申込みは,弊社までご連絡ください。

・RSCホームページ
http://www.rsc.org/Publishing/Journals/Index.asp

JSTOR:Current Scholarship Programへの参加出版者が増加

コアな学術ジャーナルのバックナンバーを電子的に提供するプロジェクトJSTORが展開する
“Current Scholarship Program”への参加出版者が,2010年3月現在で14機関に増加しました。

 Current Scholarship Programは,学術コンテンツのカレントとバックファイルの両方を単一の統合
プラットフォームから提供することを目指し,JSTORとカリフォルニア大学出版局が2009年8月に発表
したプログラムです。

 現在の参加機関は以下の通りです。
・Association for the Study of African American Life and History
・Australian Society for the Study of Labour History, Inc.
・Central Michigan University
・Historical Society of Massachusetts
・Historical Society of Pennsylvania
・Indiana University Press
・The Omohundro Institute of Early American History and Culture
・Oregon Historical Society
・Penn State University Press
・University of California Press
・The University of Chicago Press
・The University of Illinois Press
・University of Nebraska Press
・Western Historical Quarterly, Utah State University

 なお,2010年3月に新たに参加を発表したUniversity of Chicago Pressは,世界で最も古く,
かつ最大の大学出版局のひとつであり,世界的に影響力のある「The American Historical Review」,
「The American Naturalist」,「American Journal of Sociology」,「Journal of Political Economy」などを含む,51のジャーナルを提供する予定です。

詳細は,弊社までお問い合わせください。

・JSTOR Current Scholarship Program
http://www.jstor.org/page/info/about/programs/currentScholarship.jsp
・JSTOR Current Scholarship Program参加機関・タイトルリスト
http://www.jstor.org/templates/jsp/_jstor/templates/info/about/programs/relatedPDFs/cspPublisherAndTitleList.pdf
・本誌第198号記事「JSTOR:カレントタイトル収録のお知らせ」
https://www.usaco.co.jp/u_news/detail.html?itemid=82&dispmid=605

Ovid:OvidSPバージョンアップ(Version 3.0)のご案内(その2)

OvidSP・Nursing@Ovidのバージョンアップ(Version 3.0)情報をご案内します。

 本誌第203号でご案内したVersion3.0は2010年4月6日(米国東部夏時間)にリリースされる予定です。またOvid Technologiesは,Version 3.0のリリース後も現行のVersion 2.0を並行運用することを決定しました。並行運用の期間は,利用者のスムーズなVersion 3.0への移行を目的に約3カ月(2010年6月30日まで)を予定しています。

 OvidSPの最新情報についてはOvid Technologies Japan Officeのサイトをご覧ください。

・Ovid Technologies Japan Office(日本語)
http://www.ovid.jp/site/index.html
・Ovid Resource Center(最新情報が英語でUpされます)
http://www.ovid.com/site/resources/index.jsp
・弊社Ovid紹介ページ
http://www.usaco.co.jp/products/ovid/index.html
・本誌第203号記事:OvidSPバージョンアップ(Version3.0)のご案内
https://www.usaco.co.jp/u_news/detail.html?itemid=88&dispmid=605

番外記事:もうひとつのOvid

学術図書館の世界でOvidと言えば,学術情報ソリューションの国際的リーディング・カンパニーであるOvid Technologies 社を思い浮かべます。同社は1980年代後半に登場し急速に普及したCD検索の中心的なプレーヤーとして成功を収め,その後インターネット検索の時代に入っても優れたベンダーとして支持され続けています。

 同社を設立した,Mark Nelson氏は1998年に同社をWolters Kluwerに売却し,米カリフォルニア州で同名のワイナリー,Ovid Napa Valleyを始めました。

 Ovid Napa Valleyでは現在2006年の赤ワインを販売しています。ワインのタイプはフランスボルドータイプのフルボディーで,豊かな果実味とコクがあります。ブドウの苗木はボルドージロンド川両岸から持ち込まれたもので,ナパ地方の最適な土壌と最新のテクノロジーを用いた,極めて良質な赤ワインです。
ご興味のある方は,Ovid Napa Valleyウェブサイトをご覧ください。

・Ovid Napa Valleyウェブサイト
www.ovidvineyardsstore.com/
* 入手には,ウェブサイトからウェイティングリストへの登録が必要です。

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