抄訳
環境中の微生物の大多数は依然として培養されておらず、その生理機能や生態学的役割の理解は大きく制限されている。微生物間相互作用は、培養できない微生物の成長を支える重要な要因の一つと考えられてきたが、それらが培養可能性に与える影響は十分には解明されていない。
本研究では、純粋培養を維持しつつ微生物間相互作用を促進し、さらに単一細胞レベルでの観察を可能にする新しいドロップレット共培養手法を開発した。この培養手法により、環境微生物の培養効率は従来の寒天平板法から大幅に向上(約10倍)し、従来は培養が困難であった分類群の増殖も確認された。また、純菌株を用いて微生物群集内での増殖の様子を観察した結果、微生物間相互作用がいくつかの微生物の増殖にとって重要であることが明確に示された。本研究の知見は、微生物の培養における相互作用の重要性を強調するとともに、利用可能な微生物バイオマスの大幅な拡張、微生物群集の制御、そしてこれまで認識されていなかった微生物間相互作用の解明に向大きく貢献するものである。