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2026/06/01

両側遠位脛骨および腓骨に生じた肺性肥大性骨関節症

論文タイトル
Hypertrophic pulmonary osteoarthropathy in bilateral distal tibia and fibula
論文タイトル(訳)
両側遠位脛骨および腓骨に生じた肺性肥大性骨関節症
DOI
10.1136/bcr-2025-269739
ジャーナル名
BMJ Case Reports
巻号
BMJ Case Reports Volume 19, Issue 5
著者名(敬称略)
井上 文太 他
所属
社会福祉法人 聖隷福祉事業団 総合病院 聖隷浜松病院 足の外科
著者からのひと言
足の外科外来を受診した両側足関節痛の患者が、実は肺がんに伴う肥大性肺性骨関節症(HPOA)であった症例です。稀な疾患であるため、認知度が低く診断に難渋しますが、MRIで骨髄浮腫を伴わない両側対称性の骨膜炎症所見が診断の手がかりとなります。原因不明の両側足関節痛では本疾患を念頭に置き、すみやかに原疾患(特に肺悪性腫瘍)の全身検索を行うことが重要です。

抄訳

肥大性肺性骨関節症(HPOA)は、四肢の骨膜新生、関節痛、ばち指を特徴とするまれな症候群であり、多くは肺疾患に続発する。整形外科的疾患と誤診されやすく、全身評価の遅れにつながりうる。本症例は、両側足関節痛を主訴に足の外科外来を受診した60歳代後半の男性である。単純X線およびCTにて両側脛骨・腓骨に左右対称性の骨膜新生を認め、MRIでは骨膜の浮腫・炎症を認める一方で骨髄浮腫は認めず、HPOAの診断を支持する所見であった。両手指および足趾のばち指も確認された。全身検索の結果、右肺尖部に腫瘍を認め、気管支鏡により肺腺癌と診断された。右上葉切除術後、両側足関節痛は速やかに消失し、JSSF足関節・後足部スケールおよびSAFE-Qの各スコアも術後1年で著明に改善した。下肢の骨膜新生をきたす疾患の鑑別は多岐にわたるが、MRIで骨髄浮腫を伴わない両側対称性の骨膜炎症所見はHPOAを示唆する重要な診断手がかりである。原因不明の両側足関節痛に際しては本疾患を念頭に置き、原因疾患(特に肺悪性腫瘍)に対する全身評価を行うことが重要である。

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