抄訳
本研究では、日本において馬の呼吸器感染症由来検体から分離された偏性嫌気性グラム陰性桿菌5株について、表現型、生化学的性状およびゲノム情報に基づく包括的な分類学的解析を実施した。16S rRNA遺伝子配列に基づく系統解析の結果、これらの菌株は既知の近縁種とは明確に区別される独立したクラスターを形成した。ゲノムのGC含量は46.7%であり、主要な菌体脂肪酸としてC16:0、3-OH-C16:0および3-OH-iso-C16:0が検出された。さらに、全ゲノム比較により平均ヌクレオチド同一性(ANIb)およびデジタルDNA-DNAハイブリダイゼーション(dDDH)を解析したところ、近縁種であるPrevotella phocaeensisおよびPrevotella merdaeの基準株に対し、それぞれ73.1%未満および28.6%未満と、新種提唱の基準値を大きく下回る結果が得られた。これらの表現型および遺伝学的特徴を総合的に評価した結果、本菌株群はPrevotella属の新種に相当すると判断され、
新種 Prevotella mikamonis sp. nov. を提唱した。本研究は、馬の呼吸器感染症に関連する嫌気性細菌の多様性解明に貢献するとともに、新たな病原細菌の分類学的知見を提供するものである。