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2026/06/04

共有結合性ネットワークガラスにおけるボソンピーク:等拘束性と限界安定性

論文タイトル
Boson peak in covalent network glasses: Isostaticity and marginal stability
論文タイトル(訳)
共有結合性ネットワークガラスにおけるボソンピーク:等拘束性と限界安定性
DOI
10.1073/pnas.2528998123
ジャーナル名
Proceedings of the National Academy of Sciences
巻号
Proceedings of the National Academy of Sciences Vol.123 No.22 e2528998123
著者名(敬称略)
水野英如 他
所属
東京大学 大学院総合文化研究科 広域科学専攻 相関基礎科学系
著者からのひと言
一見すると、窓ガラスと砂団子はまったく異なるものに見えます。しかし本研究は、両者が硬さを獲得する背後に、「自由度と拘束数の釣り合い」という共通の物理原理が働いていることを明らかにしました。物理学のおもしろさは、このように異なる現象の奥に潜む普遍的な仕組みを見いだせる点にあります。本研究は、身近な砂の詰まりから窓ガラスの本質に迫り、物理学の魅力と威力を示す研究です。

抄訳

窓ガラスは、私たちの暮らしの中で身近にあり、当たり前のように使われている材料である。しかし、その主成分であるシリカガラスがどのように硬さを獲得し、なぜ低周波領域に特有の振動励起である「ボソンピーク」を示すのかは、長く未解明の問題であった。本研究は、この身近でありながら謎を残すシリカガラスの硬さの起源を、砂団子が固まる仕組みである「ジャミング転移」の物理と結びつけて調べた。分子動力学シミュレーションにより、シリカガラスのシリコン原子と酸素原子から成る共有結合ネットワークを解析したところ、このネットワークが、砂団子が剛性を獲得する状態と同じく、自由度と拘束数がちょうど釣り合った「等拘束性」の状態にあることが明らかになった。等拘束的なネットワークは安定と不安定の境界にある臨界的な骨格であり、そこにファンデルワールス力やクーロン力などの弱い相互作用が加わることで、実際のガラスは有限の剛性を獲得する。さらに、ボソンピークもこの等拘束的ネットワークに由来することを示した。本成果は、身近な窓ガラスの背後に、砂団子と共通する普遍的な物理原理が潜んでいることを明らかにし、ガラスの剛性と振動特性を統一的に理解するものである。

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