抄訳
土壌微生物は、医薬品や農薬などの候補となる多様な二次代謝産物を生み出す重要な生物資源である。しかし、多くの土壌細菌系統では、その生合成能や、それを支えるゲノム構造が十分に理解されていない。本研究では、火山土壌から新たに分離したKtedonobacteria株、メタゲノム由来ゲノム、公共ゲノムを統合し、計183ゲノムを対象に生合成遺伝子クラスター(BGC)を比較解析した。その結果、1,546個のBGCを同定し、その多くが既知データベース中のBGCとは大きく異なることを示した。さらに、長鎖リードによる高品質ゲノム解析から、クロミド様の特徴をもつ大型二次レプリコンが複数の系統で見出され、BGCや可動性関連遺伝子がそこに濃縮していることが明らかとなった。本成果は、Ktedonobacteriaが未開拓の二次代謝資源であることを示すとともに、微生物の二次代謝能の多様化を支えるゲノム構造の理解に貢献するものである。