抄訳
2019年末に出現し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックを引き起こしたsevere acute respiratory syndrome coronavirus 2 (SARS-CoV-2)は、ゲノム進化を経て、アルファ、デルタ、オミクロン株などの懸念される変異株を生み出した。本研究ではSARS-CoV-2変異が感染者の重症度に及ぼす影響を評価することを目的とし、東京科学大学病院に入院した310名の患者由来のウイルスゲノムデータと臨床データの統合解析を行なった。解析の結果、統計的有意に重症度と関連する変異が64個同定された。オミクロン株は一般的にデルタ株よりも症状が軽いとされているが、本研究ではオミクロン株の中にも重症化と統計的有意に関連する変異が同定された。SARS-CoV-2のゲノム情報と臨床情報のレトロスペクティブ解析は、ウイルス変異の生物学的意義の解明に有用であると考えられる。