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2026/06/11

 動物は、単細胞生物時代の祖先の遺産を継承・拡張して、血液細胞を進化させた。

論文タイトル
Animals have expanded the evolutionary legacy of unicellular ancestors in blood cells
論文タイトル(訳)
動物は、単細胞生物時代の祖先の遺産を継承・拡張して、血液細胞を進化させた。
DOI
10.1073/pnas.2528110123
ジャーナル名
Proceedings of the National Academy of Sciences
巻号
Proceedings of the National Academy of Sciences Vol.123 No.23 e2528110123
著者名(敬称略)
長畑 洋佑 河本 宏 他
所属
京都大学 医生物学研究所 再生免疫学分野
スペイン国バルセロナ 進化生物学研究所(筆頭著者現所属)
著者からのひと言
(河本)私達の研究室は、造血幹細胞が分化していく際に、マクロファージへ分化する能力が長く保持されているというミエロイド基本型モデルを、20年以上前に提唱しました。今回の成果は、ミエロイド基本型モデルが、7億年の血液細胞の進化過程を反映している事を示す集大成的な成果であり、とても感慨深く思います。
(長畑)T細胞、マスト細胞、赤血球、血小板が近縁であるということは、驚くべきことであり、重要な知見になると考えます。また、7億年前の先祖の遺産が、血液細胞として我々の体内を巡っていると思うと、遠い祖先も身近に感じることができます。

抄訳

本研究では、様々な動物と単細胞生物における、多種多様な細胞の遺伝子発現プロファイルを比較する手法を開発することで、血液細胞の起源と多様化の歴史を7億年前の単細胞生物時代の祖先にまで遡って明らかにしました。①まず、動物の祖先は、まだ単細胞生物であった頃の遺伝子プログラムを用いて、マクロファージ様の血液細胞として誕生させました。その後、動物進化の過程で、②寄生虫感染症に対抗してマクロファージからマスト細胞が分岐し、③そのマスト細胞から原始的なT細胞が、④マクロファージから原始的なB細胞が、⑤再びマスト細胞から赤血球が、それぞれ分岐していった事がわかりました。この7億年間の進化の記憶は、造血・分化過程として、現在生きる我々の体内にも刻まれていることもわかりました。私達の体内を巡る血液細胞は、単細胞生物時代の祖先が私達に遺したレガシーをうまく拡張・発展させたものと言えます。

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