抄訳
インフルエンザAウイルス(IAV)およびSARS-CoV-2に対する新たな宿主標的型抗ウイルス戦略として、プロヒビチン(PHB)結合性化合物Mel56の抗ウイルス活性を評価した。Mel56はIAV感染MDCK細胞およびA549細胞において細胞生存率を改善し、ウイルスタンパク質およびウイルス遺伝子の発現を有意に抑制した。さらに、Mel56はミトコンドリアATP産生および電子伝達を阻害してミトコンドリア機能を制御するとともに、NRF2を活性化して抗酸化応答関連遺伝子の発現を誘導することが明らかとなった。一方、ヒトiPS細胞由来肺オルガノイドにおいても抗SARS-CoV-2活性が認められたが、NRF2標的遺伝子の誘導は観察されなかった。以上より、Mel56はPHBを標的とする広域抗ウイルス化合物であり、新たな宿主標的型抗ウイルス薬開発の有望なシード候補として考えられる。