抄訳
孤独感は認知症のリスクを高めると報告されているが、その機序は十分には解明されていない。そこで、43名の高齢者(健忘型軽度認知障害13名、正常認知機能30名)を対象に孤独感と安静時機能的MRIによる機能的脳結合との関連を調べた。孤独感は改訂版UCLA孤独感尺度を用いて評価した。先行研究で孤独感との関連が報告されている両側の海馬、視床、前部島皮質、扁桃体、外側前頭前野、内側前頭前野、後部帯状回、前部帯状回をシード領域とし、CONN toolboxを用いたROI-to-ROI解析により全脳の関心領域との機能的結合を解析した。その結果、孤独感が強いほど、右海馬と左外側頭頂葉との機能的結合は強く、左扁桃体と左前頭弁蓋、および左扁桃体と右縁上回との機能的結合は弱かった。これらの結果から、孤独感は海馬、頭頂葉、前頭葉、扁桃体の機能異常と関連し、これらの脳領域はアルツハイマー病や軽度認知障害で異常が認められることから、孤独感は認知症に関連した脳機能変化と関連する可能性が示唆された。