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2026/08/07

高精度な古代人ゲノムが明らかにする日本列島の先史集団史とでんぷん食への適応進化

論文タイトル
High-coverage ancient genomes reveal divergent population histories and prehistoric starch-related genetic variation in Japan
論文タイトル(訳)
高精度な古代人ゲノムが明らかにする日本列島の先史集団史とでんぷん食への適応進化
DOI
10.1073/pnas.2606162123
ジャーナル名
Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America
巻号
Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 123 (30) e2606162123
著者名(敬称略)
石谷 孔司 他
所属
金沢大学 サピエンス進化医学研究センター
著者からのひと言
本研究では、考古学・人類学・進化学の知見を高精度な古代人ゲノム解析によって結びつけ、日本列島における人々の移動、集団の変化、食への適応進化の可能性を総合的に議論しています。今回得られた縄文人と弥生人の高精度ゲノムは、祖先集団の起源や近隣集団との関係性、日本本土における先史時代の集団史にさまざまな知見をもたらしました。日本列島の古代人ゲノム研究における重要なマイルストーンになったと考えています。

抄訳

本研究では、群馬県・居家以岩陰遺跡から出土した縄文時代早期の人骨と、山口県・土井ヶ浜遺跡から出土した弥生時代中期の人骨から、従来の水準を大きく上回る高精度な全ゲノム配列が構築された。これにより、低被覆度データでは困難だった人口動態の推定や遺伝子コピー数の解析が可能となった。解析の結果、両者の祖先集団はいずれも最終氷期に集団サイズを減少させたが、その後、縄文人の祖先集団は比較的安定した規模を維持した一方、弥生人の祖先集団は大陸側で段階的に増加し、新石器時代以降の複数の大陸系集団との交流を経て形成された可能性が示された。また、両個体は唾液アミラーゼ遺伝子のコピー数が比較的高く、稲作が広く普及する以前の縄文時代にも、でんぷん質の植物資源利用と関連しうる遺伝的多様性が存在したことが示唆された。本研究によって先史時代の集団移動や生業の変化が日本列島の人々の遺伝的特徴をどのように形作ってきたのかが明らかになった。

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