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2026/08/07

血管性浮腫様の舌腫脹を呈した頸椎症による舌下神経麻痺

論文タイトル
Hypoglossal nerve palsy secondary to cervical spondylosis mimicking angio-oedema
論文タイトル(訳)
 血管性浮腫様の舌腫脹を呈した頸椎症による舌下神経麻痺
DOI
10.1136/bcr-2025-267982
ジャーナル名
BMJ Case Reports
巻号
BMJ Case Reports CP 2026;19:e267982
著者名(敬称略)
福井遼太  上田 剛士 他
所属
洛和会丸太町病院 救急・総合診療科
著者からのひと言
 片側性の舌腫脹では、舌癌などの腫瘍性病変をはじめとした局所病変が鑑別に挙がりますが、血管性浮腫や神経原性浮腫でも同様の所見を呈することがあります。本症例では、舌偏位やMRI所見に加え、環椎後頭関節周囲まで注意深く診察・画像評価することが診断につながりました。「舌の腫れ」という症候を局所病変だけでなく、神経学的・解剖学的な視点から捉えることの重要性を示す症例として、日常診療の一助となれば幸いです。

抄訳

 50歳代男性が、急性に発症した右側の舌腫脹、構音障害、嚥下障害を主訴に受診した。片側性の舌腫脹が目立ったことから当初は血管性浮腫が疑われたが、その後も右方への舌偏位が持続し、右舌下神経麻痺と診断した。画像を再検討すると、右舌下神経管出口部に骨棘を認め、環椎後頭関節の変形性変化、関節液貯留および周囲の骨髄浮腫を伴っており、頸椎症による舌下神経の圧迫が原因と考えられた。舌下神経麻痺では慢性期には舌萎縮を呈する一方、急性期には神経原性浮腫による舌腫脹が前景に立ち、舌偏位が目立たない場合がある。MRIで舌浮腫が正中を境に片側に限局する場合は、神経原性浮腫を示唆する手掛かりとなり得る。また、片側性舌腫脹では血管性浮腫のみならず舌下神経麻痺を鑑別に挙げ、その原因として腫瘍性病変や内頸動脈解離などを除外するとともに、頸椎症も考慮することが重要である。

 

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