抄訳
再発S状結腸癌に対してカペシタビン・オキサリプラチン・ベバシズマブによる治療中であった50歳代女性に、発熱、腹痛、下痢、意識障害を契機として巨大なガス産生性左腸腰筋膿瘍を発症した症例を報告しました。CTで後腹膜から腎周囲に及ぶ多房性膿瘍を確認し、緊急CTガイド下ドレナージと広域抗菌薬治療を行いました。膿瘍培養は腸管由来を示唆する多菌種性・嫌気性菌を含む所見で、尿培養とは一致しませんでした。腫瘍再発、過去の腸管由来菌血症、尿管ステント、ベバシズマブ投与など複数の要因が重なった可能性があり、がん治療中の腹痛・発熱では早期CT、多職種連携、原因を一つに決めつけない診断姿勢が重要であることを示しました。