抄訳
子宮頸がんの前がん病変である高リスク型ヒトパピローマウイルス(HPV)陽性の子宮頸部異形成では、ECAC (Ectopic Chromosome Around Centrosome)と呼ばれる特徴的な染色体整列異常が観察される。本研究では、高リスク型HPVがコードするE6タンパク質が、分裂期モータータンパク質CENP-Eを不安定化し、ECACを誘導することを明らかにした。さらにECACの誘導は複数の高リスク型HPV由来のE6に共通して観察され、E6を長期間発現した細胞では異数性細胞が蓄積した。これらの結果は、子宮頸部前がん病変におけるECACの分子基盤を明らかにするとともに、E6によるECACの持続的な誘導が発がん初期の染色体不安定性獲得に寄与する可能性を示す。