抄訳
油脂化学(オレオケミカル)産業の廃棄物由来粗グリセロールまたは精製グリセロールを原料として、油脂生産性酵母 Rhodotorula toruloides NBRC 8766 株がマンノース比率 90% 以上、分子量 10,000 k 以上の高分子細胞外多糖(EPS)を生産することを見出した。さらに本研究では、培地中のアンモニウムイオンNH4+濃度が EPS 生産を左右する鍵因子であり、NH4+濃度が 38 mM 以上となり培地が pH 2.0 以下に酸性化することが EPS 生産に必須であることを明示した。顕微鏡観察により、EPS 生産細胞は未成熟な脂質滴と毛羽状の EPS を纏った明瞭な2層構造の細胞壁を持つのに対し、非生産細胞は明瞭な脂肪滴と1層構造の細胞壁、豊富な細胞内多糖顆粒を有することが確認された。得られた知見はEPSや油脂の生産性向上に向けた生産メカニズムのさらなる解明の基盤となる。