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2026/08/19

LC-MS/MSを用いた血中および尿中ビタミンD代謝物濃度の関連

論文タイトル
Evaluation of correlations between serum and urinary vitamin D metabolites using LC-MS/MS.
論文タイトル(訳)
LC-MS/MSを用いた血中および尿中ビタミンD代謝物濃度の関連
DOI
10.1042/BSR20260223
ジャーナル名
Bioscience reports
巻号
Biosci Rep (2026) 46 (7): BSR20260223
著者名(敬称略)
筆頭著者:呉詩星、連絡著者:石嶺 南生
所属
信州大学医学部附属病院臨床検査部
著者からのひと言
血清のビタミンD代謝物比(VMR)が有用な指標になるという報告はすでにありましたが、尿でも同様のことが言えるという報告はこれまでなく、期待半分・手探り半分での検証でした。実際に尿中の代謝物が血清指標よりもPTHとの関連を強く示したときは、期待通りとはいえ驚きもありました。日々の検査業務の中で、患者さんの負担をどう減らせるかは常に意識してきたテーマで、尿という切り口には以前から関心がありました。一方で、なぜ尿中代謝物の方がPTHとの関連をより鋭敏に捉えるのか、そのメカニズムの解明は今後の課題の一つと捉えています。

抄訳

ビタミンDの充足状態を評価するには、通常、血清中の25-ヒドロキシビタミンD値の測定が用いられる。採血によらず尿検体だけで同様の評価が可能になれば、被験者の負担軽減に加え、より簡便な運用も期待できる。 本研究では、健康診断で得られた病院職員506名分の血清および尿検体を対象に、高感度な誘導体化試薬(DAP-PA)とLC-MS/MSを組み合わせた分析系を用いて、微量な尿中ビタミンD代謝物の精密な定量を行った。その結果、尿中の24,25-ジヒドロキシビタミンD3および23,25-ジヒドロキシビタミンD3は、血清25-ヒドロキシビタミンD値と強い正の相関を示した(ρ > 0.7)。この結果は、尿検査が血中のビタミンD状態を反映する指標となり得ることを示唆している。 さらに、骨代謝を調整する副甲状腺ホルモン(PTH)との関連を検討したところ、尿中の代謝物およびビタミンD代謝物比(VMR)は、従来指標である血清25-ヒドロキシビタミンDよりも強い負の相関を示した。この結果は、尿中代謝物がPTHとの関連をより鋭敏に捉えている可能性を示唆する。 以上より、尿中ビタミンD代謝物、特に24,25-ジヒドロキシビタミンD3、23,25-ジヒドロキシビタミンD3、およびVMRは、血清に代わる非侵襲的な指標となり得る可能性が示された。非侵襲的なビタミンD評価法の一つとして、今後の応用可能性が期待される。

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