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2026/08/20

飼育下チーター集団における猫コロナウイルスの縦断的検出と遺伝学的解析

論文タイトル
Longitudinal detection and genetic characterization of feline coronavirus in a captive cheetah population
論文タイトル(訳)
飼育下チーター集団における猫コロナウイルスの縦断的検出と遺伝学的解析
DOI
10.1099/jgv.0.002317
ジャーナル名
Journal of General Virology
巻号
Journal of General Virology 2026;107:002317
著者名(敬称略)
(筆頭著者)土岐 朋義 (連絡著者)高野 友美
所属
北里大学 獣医学部 獣医学科 獣医伝染病学研究室 
著者からのひと言
FIP)は猫コロナウイルスが引き起こす命に関わる病気です。チーターはFIPを特に発症しやすいとされてきました。私たちは動物園の協力を得て、同じチーターたちを3年半追い続けました。この間、群れへの出入りは一頭もありません。何度も検査を重ねると、同じ群れで暮らしていても、ウイルスとの付き合い方は一頭ごとにまるで違うことが分かってきました。FIPを発症しやすいとされるチーターでも、ウイルスを持つ多くの個体は発症せずに元気に暮らしています。この差はどこから生まれるのか?チーターを見続けることがその答えに近づく道だと考えています。

抄訳

猫コロナウイルス(FCoV)はイエネコのほか希少ネコ科動物であるチーターにも感染する。FCoVは時に致死性の猫伝染性腹膜炎(FIP)を引き起こすが、飼育下チーター集団での長期的な感染動態や遺伝的多様性については情報が乏しい。そこで国内の単一動物園で暮らす17頭のチーターを3.5年間追跡し、糞便中のFCoV RNAとウイルス遺伝子配列を調べた。FCoVは閉鎖集団内で複数年にわたって維持され、RNAの検出パターンには個体ごとに大きな幅があった。無症状個体とFIP発症個体から得た準完全長ゲノムは、どちらもI型FCoVに属した。N遺伝子とS遺伝子のターゲット解析では集団内に複数のハプロタイプが見つかり、個体内で優勢となる配列も時間とともに入れ替わった。配列多様性はS遺伝子内でも一様ではなく、S1/S2開裂部位領域が1058/1060領域を上回った。非侵襲的な糞便モニタリングと遺伝子解析を組み合わせれば、希少ネコ科動物でもFCoVの長期的な維持と配列変化を追うことが可能である。
 

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