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2026/08/24

ホスファチジルセリン標的型キメラタンパク質によるエフェロサイトーシス経路のCD91限定化は抗腫瘍免疫応答を増強する

論文タイトル
Restricting efferocytosis pathway to CD91 via phosphatidylserine-targeting chimeric protein augments antitumor immune responses
論文タイトル(訳)
ホスファチジルセリン標的型キメラタンパク質によるエフェロサイトーシス経路のCD91限定化は抗腫瘍免疫応答を増強する
DOI
10.1016/j.ymthe.2026.05.013
ジャーナル名
Molecular Therapy
巻号
Molecular Therapy, 2026; 34, 4729-4742
著者名(敬称略)
溝手 雄 他
所属
大阪国際がんセンター 次世代がん医療開発研究センター先進探索研究領域 がん免疫療法開発部
著者からのひと言
 新規人工タンパク質であるPStRAPを用いると、細胞が生体内で処理されるときの目印であるホスファチジルセリンを利用して、がんに対する免疫反応を誘導することができました。PStRAPは理論上、従来の化学療法や放射線療法、免疫チェックポイント阻害剤などの細胞死を伴う治療法の効果を増強すると考えられます。今回の研究結果を基にした臨床試験を経て、PStRAPがこれまでにない革新的な免疫治療となることが期待されます。

抄訳

ホスファチジルセリン(PS)は、アポトーシス細胞膜上に表出する代表的なeat-meシグナルであり、MFG-E8などの複数の分子によって認識されてエフェロサイトーシスを促進し、免疫寛容を誘導する。この機序を制御するため、MFG-E8由来のPS認識ドメインと、免疫刺激性貪食受容体として知られるCD91のリガンドであるRAPからなる新規キメラタンパク質PStRAPを設計した。PStRAPは、PSが露出したアポトーシス細胞を、本来の免疫抑制性経路ではなく、CD91を介した免疫刺激性経路によって貪食させる。PStRAP存在下では、アポトーシス細胞の貪食効率、および細胞傷害性T細胞への交差提示能が上昇し、強力な抗腫瘍獲得免疫応答が誘導された。さらに、脂質ナノ粒子に封入したPStRAP mRNAと抗がん剤を併用投与すると、PStRAPは抗がん剤単独の抗腫瘍効果を優位に増強した。これらの結果は、PStRAPがCD91を介したアポトーシス細胞の貪食を誘導し、効果的な抗腫瘍獲得免疫応答を始動させ得ることを示唆している。

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