抄訳
メドゥーサウイルスを含むマモノウイルス科と、クランデスティノウイルスを含む関連ウイルスは、これら二つのグループ間でゲノムサイズや宿主域に大きな隔たりがあり、進化的起源や分類は未確定のままでした。本研究では、単細胞真核微生物ヴェルムアメーバを宿主として、新たな巨大ウイルス・フルティヴォウイルスを分離し、解析しました。このウイルスはおよそ56万塩基対のゲノムをもち、最も近縁なクランデスティノウイルスと特徴を共有していました。興味深いことに、核膜の崩壊と核質内での新生ウイルス粒子のパッケージングを特徴とする、宿主の細胞核に強く依存した独自の複製戦略が明らかになりました。巨大ウイルス全体を見渡した分子系統解析および比較ゲノム解析の結果、フルティヴォウイルス、クランデスティノウイルス、ウシクウイルス、ウサルパティウイルスが明確な単系統群を形成することが示されたため、この未分類だったウイルスグループに対して「マネスウイルス科」という新科を提唱しました。この新科はマモノウイルス科の姉妹群として位置づけられ、ウイルス粒子サイズは類似しているもののゲノムサイズと宿主が異なるこれら二つの科間の進化的関係を明らかにしました。さらに我々は、これら二つの科を統合する新目の設立を提案しました。これらの結果から、この系統のウイルスの多様性がより拡大し、巨大ウイルス全体におけるマモノウイルス科・マネスウイルス科の進化史に、新たな知見をもたらすことが期待できます。