抄訳
魚は常に環境水に暴露され、皮膚粘液菌叢は環境水菌叢から強い影響を受けているが、その変化の速さや程度は十分に明らかでない。本研究では、ヤリタナゴ(Tanakia lanceolata)を人工アクアポニックス環境と自然環境に近い池の間で繰り返し移動させ、皮膚菌叢の経時変化と再現性を解析した。16S rRNA遺伝子アンプリコン解析の結果、皮膚菌叢は移動後1日以内に急速に再構成され、移動前よりも移動先の環境水菌叢に類似した。この傾向は複数回の移動を含む2回の独立実験で一貫して認められた。また、環境ごとにコア皮膚菌叢は大きく異なり、移動に伴って増減または置換した。さらに、皮膚および環境水菌叢のα多様性は池で増加し、アクアポニックス環境で低下した。以上より、魚類皮膚菌叢が急速な環境変化に応答する高い生態学的可塑性を有することが示された。