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2026/08/25

天然変性タンパク質の自己組織化様式と、アミノ酸配列に符号化された局所構造バイアスとの相関関係

論文タイトル
Sequence-encoded conformational biases correlate with self-assembly modes of intrinsically disordered proteins.
論文タイトル(訳)
天然変性タンパク質の自己組織化様式と、アミノ酸配列に符号化された局所構造バイアスとの相関関係
DOI
10.1093/pnasnexus/pgag189
ジャーナル名
PNAS nexus
巻号
PNAS Nexus, Volume 5, Issue 7, July 2026, pgag189
著者名(敬称略)
小林 凌河 関山 直孝 他
所属
京都大学 理学研究科
著者からのひと言
一般的なタンパク質との対比から、IDPはしばしば構造のないタンパク質と言われます。しかし、アミロイド線維化や相分離といった秩序立った自己組織化は、本当にそんなランダムな分子から生じるのでしょうか?本研究はこうした素朴な疑問に始まり、「IDPには構造がないのではなく、そのアミノ酸配列には自己組織化を方向付ける局所構造バイアスが書き込まれている」という新たなIDP観の提示に繋がりました。IDPの物性理解に新しい視点を提供できれば幸いです。

抄訳

天然変性タンパク質(IDP)は、相分離による凝縮体形成やアミロイド線維化などの自己組織化を介して様々な生理機能や疾患に関わります。しかし、IDPがどちらの自己組織化様式をとるのかを方向付ける仕組みは十分解明されていませんでした。そこで本研究では、アミノ酸配列に符号化された「5残基単位の構造選好性(局所構造バイアス)」が自己組織化を規定すると仮説を立てました。このバイアスを定量化した「5残基スコア」を開発し、強バイアス領域の配置のみが異なる人工IDP群「lag-series IDPs」を設計しました。その自己組織化特性を検証した結果、強バイアス領域は伸長したβシート様構造をとりやすく、この領域がアミノ酸配列上で密に配置された場合には凝縮体からアミロイド線維への転移が促進され、分散配置された場合には線維化が抑制されることが判明しました。本研究は局所構造バイアスがIDPの自己組織化様式を規定することを示唆しており、IDP物性の構造学的理解に寄与する成果です。

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