抄訳
Stenotrophomonas maltophiliaは、院内感染の原因菌として知られるグラム陰性菌であり、高い死亡率との関連が報告されている。しかし、その死亡リスク因子については見解が一致していない。そこで本研究では、22年間にわたるS. maltophilia菌血症の43例を対象に死亡リスク因子について後方視的に解析した。その結果、死亡率は44.2%であった。単変量解析では、Sequential Organ Failure Assessment (SOFA) スコア、中心静脈カテーテル (CVC) 留置、中心静脈栄養、および糖尿病が死亡と有意に関連していた。多変量解析では、SOFAスコアおよびCVC留置が独立した死亡リスク因子であることが示唆された。一方、適切な抗菌薬治療は全体の死亡率低下とは有意な関連を示さなかった。さらに、CVC留置患者においては、カテーテル抜去が生存率の改善と有意に関連していた。以上より、S. maltophilia菌血症においてSOFAスコアおよびCVC留置は死亡率と関連する重要な因子であることが示された。また、抗菌薬治療の有用性は疾患重症度によって異なる可能性が示唆された。