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2026/08/28

肺上皮被覆液への移行性が異なる3種類のフルオロキノロン系抗菌薬:マウス肺感染モデルにおける感染部位特異的PK/PD解析

論文タイトル
Three fluoroquinolones with different epithelial lining fluid penetration in a murine lung infection model: an experimental site-specific PK/PD study.
論文タイトル(訳)
肺上皮被覆液への移行性が異なる3種類のフルオロキノロン系抗菌薬:マウス肺感染モデルにおける感染部位特異的PK/PD解析
DOI
10.1128/aac.00375-26
ジャーナル名
Antimicrobial agents and chemotherapy
巻号
Antimicrob Agents Chemother 70:e00375-26
著者名(敬称略)
細井 彩夏、五十嵐 裕貴 他
所属
慶応義塾大学 薬学部 薬効解析学講座
著者からのひと言
抗菌薬のPK/PD目標値は血漿中濃度をもとに設定されることが多いが、肺炎での作用部位は主にELFである。本研究は、ELF移行性の異なる3剤の比較により、血漿基準とELF基準の目標値の乖離がELF移行性に依存することを示した。ELF移行性の高い薬物では、血漿中濃度のみを指標とすると感染部位での曝露を過小評価しうる。抗菌薬の選択や投与設計に、感染部位の薬物曝露という視点を加える意義を示した研究である。

抄訳

本研究では、肺炎治療に用いられる3種類のフルオロキノロン系抗菌薬(レボフロキサシン、ガレノキサシン、ラスクフロキサシン)について、肺上皮被覆液(ELF)への移行性の違いがPK/PD解析に及ぼす影響を検討した。マウス肺炎球菌性肺炎モデルを用いて血漿およびELF中の薬物濃度を測定し、肺内の菌量変化との関係からPK/PD指標を評価した。その結果、すべての薬剤でAUC/MICが抗菌効果を最もよく反映したが、ELF移行性の違いにより、血漿基準とELF基準のPK/PD目標値には乖離が認められた。特にELF移行性が高いラスクフロキサシンではその乖離が顕著であった。さらに、ELF基準の目標値をヒトのELF/血漿曝露比を用いて換算すると、いずれの薬物も臨床で報告された目標値と概ね一致した。以上より、肺炎における抗菌薬の薬効評価には、ELFに基づくPK/PD目標値を考慮することが、抗菌効果の理解や投与設計の最適化に有用である可能性が示された。

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