抄訳
UFM1システムはユビキチン様タンパク質修飾系の一つであり、小胞体(ER)上で翻訳の品質を監視する小胞体関連リボソーム品質管理機構(ER-RQC)において重要な役割を担っている。これまでに、当研究室らは、UFM1 E3リガーゼ複合体による60Sリボソームタンパク質RPL26のUFM1化と、 UFM1化RPL26の認識がER-RQCの進行に重要であることを明らかにしてきた。本研究では、脱UFM1化酵素UFSP2がER膜タンパク質ODR4と安定な複合体を形成し、RPL26を脱UFM1化することでER-RQCの終結に機能することを明らかにした。また、ODR4はUFM1 E3リガーゼ複合体の構成因子であるUFBP1とも結合し、この結合がER-RQCの進行に必要であった。これらの結果から、UFM1化および脱UFM1化に関与する超複合体が、UFM1の付加、認識、除去という一連の過程をER膜上で協調的に制御することが示唆された。神経前駆細胞特異的に触媒活性欠損型UFSP2を発現するノックインマウスでは、UFM1化RPL26の蓄積、神経細胞死、小頭症および周産期致死が認められ、適切な脱UFM1化が神経発生に必須であることが示された。さらに、重篤な神経発達障害患者で同定された両アレル性UFC1変異はUFM1 E3リガーゼ複合体の中核因子UFL1との結合を増強し、患者由来神経細胞においてRPL26の過剰UFM1化を引き起こした。以上の結果から、RPL26の過剰なUFM1化が神経発生異常につながることが示唆され、ER膜上に局在する脱UFM1化機構が、ER-RQCの適切な終結と神経細胞のプロテオスタシス維持に必須であることが明らかになった。