抄訳
SAPHO症候群は、滑膜炎、ざ瘡、膿疱症、骨化過剰症、骨炎を特徴とするまれな炎症性疾患である。一般に骨硬化や骨増殖性変化を呈するが、早期には溶骨性病変のみを示すことがあり、悪性腫瘍や感染症との鑑別が問題となる。症例は10歳代後半の女性で、前胸部痛と腰痛を主訴に受診した。CTで胸骨、胸椎および腰椎に多発する純粋な溶骨性病変を認めた。一方、手掌と足底には角化や落屑を伴う皮疹があり、画像上、椎間板は保たれ、悪性腫瘍や化膿性脊椎炎を積極的に示唆する所見に乏しかった。臨床所見を統合してSAPHO症候群と診断し、患者との相談のうえ骨生検は行わず、慎重に経過を観察した。治療後、症状と皮疹は改善し、4か月後のCTでは溶骨性病変に硬化性変化が出現した。典型的な部位の溶骨性病変では、皮膚所見を含む臓器横断的な評価と継続的な画像再評価が、早期SAPHO症候群の診断に重要である。