抄訳
レナカパビル(LEN)は、年2回の投与で効果が持続する長時間作用型のHIV-1治療薬であり、治療のみならず曝露前予防(PrEP)への応用も期待される重要な抗ウイルス薬です。一方、HIV-1のウイルス産生後期におけるLENの作用機序には不明な点が残されています。本研究では、LENがウイルス粒子形成過程の前駆体Gagに作用し、細胞内でのGagの異常なプロテアーゼ依存的切断を促進することで、正常な粒子形成と放出を阻害することを明らかにしました。また、LENは細胞膜上に異常なGag集積を誘導し、GagとEnvを含む直径200 nmを超える巨大なLEN誘導ウイルス様粒子(LENiVLPs)を形成させました。これらの粒子は膜融合能を保持する一方、感染後のウイルス複製に障害を示し、非感染性でした。さらに、LENはp24の抗体認識にも影響し、p24 ELISAではウイルス放出阻害が過大評価される可能性を示しました。本研究は、LENの新たな作用機序を明らかにし、次世代カプシド阻害薬の開発に重要な手掛かりを提供します。