抄訳
てんかんでは、神経回路における興奮と抑制のバランスが崩れ、過剰な神経活動が生じる。本研究では、抑制性ニューロンに選択的に遺伝子を発現させる410塩基対の小型GAD67プロモーター「cmGAD67」を開発した。cmGAD67は、AAVベクターへの搭載に適した小ささでありながら、強い転写活性と高い抑制性ニューロン特異性を示し、特にパルブアルブミン陽性介在ニューロンに効率よく遺伝子を発現させた。さらに、cmGAD67を用いてGABA合成酵素GAD65を発現するAAVベクターをマウスに投与したところ、脳内GABA量が増加し、複数のてんかんモデルマウスにおいて異常脳活動やてんかん発作が抑制され、不安様行動や生存率も改善した。本成果は、薬剤抵抗性てんかんに対する新たな遺伝子治療法の開発につながることが期待される。