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2026/09/11

核内ストレス体によるスプライシング制御を支える温度感知機構

論文タイトル
Thermo-sensing mechanisms of splicing control by nuclear stress bodies
論文タイトル(訳)
核内ストレス体によるスプライシング制御を支える温度感知機構
DOI
10.1016/j.molcel.2026.06.034
ジャーナル名
Molecular Cell
巻号
Molecular Cell, 2026; 86, 3449-3465.e8
著者名(敬称略)
上野剛志 廣瀬哲郎 他
所属
大阪大学大学院 生命機能研究科 RNA生体機能研究室
著者からのひと言
 「るつぼ機構」は数ある非膜オルガネラの作動機構の一つですが、その実体解明はほとんど進んでいません。本研究で明らかになったリン酸化による酵素の局在制御は、「るつぼ機構」の要となる機構で、さらにそれを制御する温度センサーの同定は、「るつぼ機構」の全貌理解に向けた大きな一歩です。

抄訳

核内ストレス体(nSB)は、熱ストレス時にHSATIII lncRNA上に形成される非膜オルガネラで、ストレスからの回復期にpre-mRNAスプライシングを制御している。この機構では、nSBがストレス時にスプライシング因子SRSFを集積し、回復期にSRSFキナーゼCLK1を局在させることで、基質と酵素が濃縮された「るつぼ」を形成し、SRSFのリン酸化反応を効率化している。本研究では、CLK1の温度依存的なnSB局在にSer341リン酸化が必要であり、PP1がストレス時にSer341を脱リン酸化し、回復期にRIOK2が再リン酸化することで、CLK1が回復期特異的にnSBへ局在できることを見出した。さらに、PP1阻害因子PPP1R2が温度センサーとして機能し、ストレス時にPP1から解離してPP1を活性化することを発見した。以上から、多層的な温度感知機構が回復期特異的な「るつぼ形成」を可能にし、温度依存的なスプライシング制御を実現することが示された。

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