抄訳
核内ストレス体(nSB)は、熱ストレス時にHSATIII lncRNA上に形成される非膜オルガネラで、ストレスからの回復期にpre-mRNAスプライシングを制御している。この機構では、nSBがストレス時にスプライシング因子SRSFを集積し、回復期にSRSFキナーゼCLK1を局在させることで、基質と酵素が濃縮された「るつぼ」を形成し、SRSFのリン酸化反応を効率化している。本研究では、CLK1の温度依存的なnSB局在にSer341リン酸化が必要であり、PP1がストレス時にSer341を脱リン酸化し、回復期にRIOK2が再リン酸化することで、CLK1が回復期特異的にnSBへ局在できることを見出した。さらに、PP1阻害因子PPP1R2が温度センサーとして機能し、ストレス時にPP1から解離してPP1を活性化することを発見した。以上から、多層的な温度感知機構が回復期特異的な「るつぼ形成」を可能にし、温度依存的なスプライシング制御を実現することが示された。