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2026/09/15

Sclerotinia sclerotiorumの菌核から分離されたSphingobacterium kitahiroshimenseの全ゲノム解析

論文タイトル
Complete genome sequence of Sphingobacterium kitahiroshimense strain Ss8-5,isolated from a sclerotium of Sclerotinia sclerotiorum
論文タイトル(訳)
Sclerotinia sclerotiorumの菌核から分離されたSphingobacterium kitahiroshimenseの全ゲノム解析
DOI
10.1128/mra.00846-26
ジャーナル名
Microbiology Resource Announcements
巻号
Microbiol Resour Announc 15:e00846-26
著者名(敬称略)
岩渕 望
所属
横浜国立大学 大学院環境情報研究院
著者からのひと言
「菌核」は、メラニンを含む黒く厚い外壁を持つ、カビの頑丈な休眠カプセルです。今回報告したのは、その中から分離した細菌1株の全ゲノムという、一見地味な成果です。しかし解析を進めるうちに、Sphingobacterium属が菌核という特殊な環境に広く定着し、菌核を構成する多糖まで利用している可能性が見えてきました。たった一つのゲノム情報から、菌核における細菌の知られざる生存戦略が垣間見えてきています。

抄訳

植物病原糸状菌の中には「菌核」と呼ばれる休眠構造を形成し、土壌中で長期間生存するものがいます。しかし、この菌核内部に生息する細菌については、これまでほとんど注目されてきませんでした。本研究では、400種以上の植物に感染し、菌核病による深刻な農業被害をもたらすSclerotinia sclerotiorumの菌核から細菌の分離を試み、Ss8-5株を単離しました。さらに、全ゲノム解析の結果、1つの環状ゲノムが得られ、Ss8-5株はSphingobacterium kitahiroshimenseであると推定されました。この結果は、植物病原菌の休眠構造の中に、これまで知られていなかった細菌が共存している可能性を示すものです。今後は、得られたゲノム情報をもとに代謝機能や糸状菌との相互作用メカニズムを解析し、菌核内における生態的役割の解明を目指します。

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