抄訳
多くのStreptomyces属放線菌は、二次代謝産物生合成遺伝子クラスター(BGC)の発現を誘導するシグナル分子・受容体システムを有している。これまでに発見されたシグナル分子は、γ-ブチロラクトン、γ-ブテノライド、フランの3つのグループに分類され、アベノライド型を除くこれらの分子は、AfsAタンデムリピートドメインをもつ酵素によって生合成される。59個のafsAホモログ遺伝子についてゲノム上の配置を解析したところ、その86%(51/59)が、対応すると推定されるシグナル分子受容体遺伝子の近傍に位置していた。このことから、BGC発現に関与するシグナル分子・受容体システムは、遺伝子の位置関係から予測できる可能性が示された。一方、S. griseusではafsAと受容体遺伝子arpAが約3.91 Mb離れて存在するなど例外も認められた。シグナル分子と受容体の対応関係を明らかにすることは、シグナル分子による転写抑制解除を利用して休眠BGCを活性化する、新たなゲノムマイニング戦略につながると期待される。