抄訳
本症例は、SARS-CoV-2感染に伴う広範な炎症性付着物と高度な声門下浮腫により重篤な気道閉塞を来した小児の1例である。基礎疾患のない学童期児が咽頭痛と進行性呼吸困難で受診した。喉頭内視鏡検査で声帯周囲に広範な炎症性付着物を認め直ちに手術室へ搬送した。搬送中に意識消失と酸素飽和度の80%への低下を認めたが、ビデオ喉頭鏡下に閉塞物質を除去したところ自発呼吸と意識が回復した。高度な声門下浮腫のため内径4.5 mmのチューブで気管挿管を行った。翌日に自己抜管を認めたが、アドレナリン吸入とデキサメタゾン投与により再挿管を回避し、保存的加療のもと第10病日に退院した。本症例は、SARS-CoV-2感染がクループ好発年齢を超えた小児にも重篤な気道閉塞を引き起こし得ることを示し、適切な設備環境と多職種連携による迅速な気道管理の重要性を示唆している。